研究概要 |
変位制御準動的載荷装置により地震挙動を模擬した実験を、1985メキシコ地震の波形の入力加速度を用いて、行って得られた知見は以下の各項である。 1985メキシコ地震の波形の入力加速度による鉄筋コンクリート構造の地震応答挙動は、エルセントロ地震に対する挙動とかなり異なる。(1)材料非線形を有する構造の場合、降伏により非線形域内に入ると、加振が進むにつれ入力加速度が減じても応答変位が漸増する場合がある。(2)その領域では、減衰効果が初期より減ずるようである。(3)形状非線形構造の応答解析によれば、入力加速度波形の周期と構造の周期の関係によっては、入力加速度がある限界値を超えると応答変位がそれ以前の数倍に急増する場合がある。 設計した載荷装置の自動化部分の制御および電動駆動機器は、ロータリー・エンコーダ(角度検出器),インターフェイス,インバータ,およびモーターから成る自己完結のループとし、インターフェイスにパソコンを接続し対話形式の制御も選択し得る方式とした。ブレーキ付モーターは、回転速度4〜60rpmで、トルク16kg-mを発生、回転速度はインバータにより4〜60rpmの範囲が可能、制御角度は駆動軸で3度以内である。
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