研究課題/領域番号 |
61460167
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 博次 京大, 工学部, 教授 (60027216)
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研究分担者 |
清水 義彦 京都大学, 工学部, 助手 (70178995)
村上 正吾 京都大学, 工学部, 助手 (70166247)
辻本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
祢津 家久 京都大学, 工学部, 助教授 (30109029)
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キーワード | 流出入流速 / 対数二乗則 / pick-up rate / step length / 護床工 |
研究概要 |
1.浸透流の存在する場での流砂モデルに関する研究 透水性河床面における鉛直方向の流出入流速に着目し、流砂の初期移動及び流速機構に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。流出入流速の効果を、砂粒に作用する直接的な抗力と、表面流の平均流構造を変化させることによる流速分布の変化としてとらえ、それぞれを理論的に評価することにより、流砂の確率モデルの初期移動のパラメータであるpick-up rateの推定式を誘導した。また、室内実験水路において、流出入流速の存在する場での表面流の粗面二乗対数則の適用性を検証するとともに、8mmビデオ画像解析により、pick-up rateの直接測定を行い、理論の妥当性の検証を行った。次に、流送過程のパラメータであるstep lengthについては、流出入流速の存在による表面流の平均流構造の変化が、砂粒の移動速度に及ぼす効果と、step lengthの反発・停止機構に支配的な河床面の形状特性に及ぼす効果に分け、それぞれを力学的に評価することにより、流出入流速のstep lengthの平均値特性に及ぼす影響を明らかにした。一方、その分布性状については、室内の実験水路において直接計測を行い、平坦河床においては、指数分布に従うことを明らかにするとともに、流出入流速の変化に対してその構造が不変であることを明らかにした。 2.護床工下部の流砂現象に関する研究 河川構造物災害の出現・拡大機構を水理学的に明らかにし、複雑な境界条件によって流砂現象が複雑な変形をすることに着目し、本研究では護床工下部の砂粒の抜け出しによる空洞の進行過程を明らかにした。すなわち、こうした大きな境界面形状の変化に伴なう流れの空間的・時間的相似性に着目し、流砂の非平衡性を考慮すると、力学的に合理的なモデリングが可能であることが明らかとなった。
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