研究概要 |
航空機あるいは人工衛星からの走査記録のデータから,土地被覆分類をできるだけ自動的に行うための基本的課題を明らかにし, 課題の主要部分についての解決策を明らかにしようとするのが, 本研究の目的である. 昨年度中には,実験室でシミュレーションデータを取得できるようなCCDカメラの基本性能を明らかにしたので, 本年度はこれを用いた実験と人工衛星データの利用法について, 以下のような研究を行った. 1.設備したラインスキャン式カメラの標定ならびに位置測定法について工夫を加え,実用上の精度を調査した結果通常のアマチュアカメラ以上の精度で座標測定のできることが明らかになった. 2.上記カメラを使用して空中写真のデイジタル化及び直接デイジタルデータを取得して,ステレオマッチングによる自動位置測定法の実際的な精度を求めつつある. なお, これらのデータ以外に,最近はSPOT(フランス)及びMOSー1(日本)などの人工衛星のデータが利用できるようになったので, これらのデータの利用法も研究中である. 3.土地被覆分類には必ず経時変化調査が必要である. ステレオマッチング手法は,この目的を遂行するために重要であり, かつ画素ごとの位置を精密に定めるためにも有効に利用できる. 雑音のある実際のデータによって, 陸地及び水域の表面状況の区分を行ってかなりよい結果を得た. 上記の2, について最終的なデータをとりまとめ中であり,成果の一部は7月頃に発表される予定である. これらのとりまとめと発表されたものを総合して最終報告とする予定である.
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