研究課題/領域番号 |
61460173
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 勉 東大, 工学部, 教授 (60010576)
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研究分担者 |
向井 昭義 東京大学, 工学部, 助手 (90166223)
岩崎 良二 東京大学, 工学部, 助手 (60011160)
神田 順 東京大学, 工学部, 助教授 (80134477)
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キーワード | 構造特牲係数 / 塑性応答量 / 地盤との連成効果 / 塑性変形能力 / 統計的評価 |
研究概要 |
鋼構造物の吸収エネルギーを評価するために変形能力の評価法を確立した。そして、鋼構造部材の塑性変形能力を調べる実験を行ない、これを用いて鋼構造部材の塑性変形能力の統計的な評価を行なった。これはH型断面部材を対象としたもので、フランジの幅厚比、ウェブの幅厚比、フランジの降伏点ウェブの降伏点、及び軸力比をパラメーターとして実験式及び理論式を導き、比較的に安全側の評価となることがわかった。 一方、鋼構造物の塑性応答量の統計的評価の基礎となる予備的な検討を実施した。すなわちせん断型多質点系弾塑性モデルを採用し、2種類の履歴ルールを与えて、模擬地震動に対しその入力レベルを変化させたときの弾塑性応答をエネルギー等価とする等価弾性応答により、弾塑性域における傾向を数値的に追跡した。そして、系の固有周期と入力のスペクトル特性との関係により、等価弾性応答の入力加速度に対する勾配は異なるが、概ね直線で近似できること、およびその直線まわりのばらつきが10%〜20%のオーダーであることが認められた。また、層間の損傷に関しては、強度分布が極端にAi分布から外れない限り、かつ、第2勾配が極端に小さくない限りは、特定層への集中は認められなかった。 地盤との連成効果については、一部のモデルについて、スウェイ・ロッキングモデルで評価し、同様な検討を行ったが、一次の固有周期と減衰が同等に評価きれば、ほぼ等しい応答の得られることが確認された。また、これらの応答評価から耐震信頼性指標算出の簡便な手法を導いた。
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