研究課題/領域番号 |
61460176
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小阪 義夫 名大, 工学部, 教授 (00022989)
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研究分担者 |
山田 和夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (10093080)
今井 信宏 名古屋大学, 工学部, 助手 (00023333)
谷川 恭雄 三重大学, 工学部, 教授 (70023182)
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キーワード | 構造体コンクリート / ブリージング / 圧密 / 部位的非均質性 / 統計的非均質性 / 強度 / 動的特性 / 静的特性 |
研究概要 |
本年度は、構造体コンクリートの打込み高さ方向の非均質性、すなわち部位的特性を有する非均質性に関する実態調査と、鉄筋コンクリート構造部材の動的力学特性に及ぼす構成素材の各種力学特性の影響について、一連の検討を行った。それらの結果は、およそ次のように要約できる。 1.構造体コンクリートの部位的非均質性に関する実態調査 (1)実大コンクリート柱試験体についての調査結果:打設されたコンクリートの水セメント比は、ブリージングのため部材上部の方が下部よりも大きくなり、またコンクリート中の単位粗骨材量は、上部の方が下部よりも小さくなるが、コンクリートの打設手順の適正化により、柱最上層部を除き、コンクリートの部位的非均質性を比較的小さくすることができる。 (2)構造体コンクリートの水和発熱温度:コンクリート打設後約24時間で最高温度に達する。その時点での最高温度は、柱部材の中層中央部が最も高く、下層側面近傍が最も低い値を示す。 2.鉄筋コンクリート構造部材の動的特性に関する解析的検討 (1)コンクリートの構成モデルの検討:Bazantらによる既提案のエンドクロニック理論のうち、1976年および1978年に提案されたモデルを用いた場合の解析結果は、全体的によく一致するが、1980年に提案されたモデルを用いた場合には、部材降伏後の段階で、繰返し載荷回数の増加に伴う除荷時および再載荷時の鉄筋コンクリート部材の剛性低下が他のモデルを用いた場合に比べて若干著しくなる。 (2)鉄筋コンクリート柱の地震応答特性:地震応答特性は、コンクリートの部位的非均質性よりもむしろ主筋の付着特性に著しく影響される。一般に、部材内部で主筋の付着すべりが生じると、部材内の破壊が特定位置に集中し、変位応答が特定方向に偏る傾向を示す。
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