研究課題/領域番号 |
61460177
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松井 徹哉 名大, 工学部, 助教授 (70023083)
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研究分担者 |
加藤 賢治 豊田工業高等専門学校, 助手 (80043206)
大森 博司 名古屋大学, 工学部, 助手 (90092387)
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キーワード | 浮遊式海洋構造物 / 不規則波浪 / 係留浮体 / 波漂流力 / 長周期運動 |
研究概要 |
不規則波浪中で係留された浮遊式海洋構造物は長周期変動波漂流力として知られる2次波浪外力の長周期成分に同調して大振幅の長周期運動を行うことが知られている。本研究は浮遊式海洋構造物に生じるこのような長周期運動とそれに伴って発生する係留ライン張力の定量的予測手法を確立することを目的としている。そのためには、外乱となる長周期変動波漂流力に加えて運動方程式の各項を構成する流体力係数を知ることが必要であり、ここではこれらの諸係数を評価するための理論的手法を模索するとともに、その妥当性を検証するための水槽実験を行っている。本研究は2年度にわたる継続研究であるため、現在のところ初期の研究目的を達成するまでには至っていないが、初年度における研究成果を要約すると、以下のようである。 (1)係留式海洋構造物の不規則波浪中における長周期運動を予測するための数値シミュレーション手法を開発し、ピン係留式円筒カラムおよび半潜水型プラットフォームに応用して、これらの構造物に生じる長周期運動の特性を考察した。 (2)不規則強制動揺装置を試作し、長周期運動時の係留式構造物模型に働く流体力係数を計測するための実験装置を完成させた。 (3)上記の実験装置を用いて、ピン係留式円筒カラムの長周期運動時の流体力係数の計測実験を行い、以下の知見を得た。 【i】)ピン係留式円筒カラムの長周期運動時の減衰要因としては流体の粘性に起因する粘性減衰が支配的である。 【ii】)この粘性減衰の大きさは、長周期運動と短周期運動が共存する場合には、長周期運動のみを行う場合の1〜2倍程度に増加する。その増加の割合は短周期運動の振幅が増加するほど大きくなる傾向にある。
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