研究概要 |
1.フードの捕集性能:厨房に設置するフードの基準作成を目標に,ガスレンジ上方の気流性状を温度と風速測定から検討した. 鍋からの水蒸気や燃焼廃ガスの発生量は鍋寸法に関係なく, 火力によってほぼきまり, 上昇気流は火源上方80cmまで殆んど拡散せず, 縮流・定速域を形成していることを確認した. 今後は熱流より汚染物の拡散性状を推定し, 広範な調理条件下におけるフードの捕集性能を推定する手法を確立する. 2.調理臭制御面からの必要換気量の決定:厨房の必要換気量は從来, 燃焼廃ガスより設定していた. 今回は快適な室内環境形成のため, 厨房の臭気制御の面から換気量をきめる目的で, 各種の調理臭の発生状況を考察した. すでに醤油・味増・酢を自然放置した時の厨臭について検討し, 目下, カレー・焼魚・コーヒー調理時の臭気発生量を調べている. 3.多数室の換気量算定法:トレーサーガスに用いているCO.ナ_<2.ニ>濃度分析器の誤差特性とそれによって生じる換気量誤差を考察した. 室相互の換気を有する二室の場合, 一種ガス法より二種ガス法による方が安定した精度良い換気量を求めることが出来ることを確認した. 4.住宅の給・排気システムの検討:厨房に隣接する居室の空気汚染・熱環境・冷暖房負荷などに及ぼす調理効果を考察し, 合理的な給排気方式を確立する必要がある, 先ず, 住宅で影響力の大きい風力換気を取りあげ, 外部風の風速・壁面風圧・開口部の通気量の関係を考究した. さらに集合住宅に新しい試みとし採用した給排気方式の実地調査を行ない, その性能評価を行った. この成果は建築学会に発表する予定である.
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