研究概要 |
1.測定調査の経過 千葉大学医学部付属病院を対象に、予備測定を含め、中間期,暖房期と分け、つぎのように3回の測定調査を行った。汚染質の測定項目は、浮遊粒子状物質、浮遊細菌、ガス状物質(【CO_2】,【NO_x】)である。(1)予備測定(7/29〜7/31) 中央手術部における各手術室のバックグラウンドとして、室内圧の測定を行った。(2)第1次測定(10/27〜11/1) 外来診療棟の内科待合室及び中待合室、薬剤待合室など非清浄区域を中心に、その他として手術室、ICUの測定を行った。(3)第2次測定(12/8〜12/13) 一般病棟及び母子病棟の病室とナースステーション、中央手術部の手術室など清浄区域を中心に測定を行った。 2.得られた知見 まだ途中の段階であり、結論的にまとめた知見は得られないが、指摘すべき問題点、以後測定に考慮すべき点、傾向的な特性などが得られた。(1)問題点 ICUの信頼性とその利用の依存度が高くなる傾向にあり、それに即応した空気清浄度、むしろ設計清浄度を確保する清浄能力を有するシステムが、ICUに必要である。(2)考慮すべき点 測定に当たり、病室,処置室,新生児室などで使用される加湿器,ネブライザーなどからの蒸気,噴霧液,エアロゾルに注意が必要である。(3)粒子濃度変動の傾向 室内の挙動による発麈のうち、0.3や0.5μm以上粒径の制御効果はほぼ換気量に比例し、清浄度の低い場合は5.0μm以上の大粒径の制御効果にとどまる傾向が認められた。 3.今後の研究計画 引続き千葉大病院を対象に、春の中間期、夏の冷房期を選び、測定調査を行う。
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