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1986 年度 実績報告書

電子運動量分布の測定による金属中の格子欠陥の電子状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61460197
研究機関筑波大学

研究代表者

谷川 庄一郎  筑大, 物質工学系, 助教授 (90011080)

研究分担者 石井 晃  日本学術振興会, 特別研究員
キーワード陽電子消滅 / 陽電子消滅2次元角相関 / 電子運動量分布 / 格子欠陥 / 格子欠陥の電子状態 / フェルミ面 / 原子励起子
研究概要

イオン結晶や半導体中の格子欠陥の電子状態は、光学的測定やEPRが使えるために、かなり良く理解されているが、金属中の格子欠陥の電子構造は未だそれ程明らかではない。一方、陽電子消滅2次元角相関法の最近の発展は、金属合金中の格子欠陥近傍の電子運動量分布および電子波動関数の異方性の直接的測定を可能にしつつある。昭和61年度は、2次元角相関装置の拡充および格子欠陥研究のための基礎となる解析法の整備、単結晶試料の作成を目的とした。研究成果として、(1)現有の2次元角相関測定装置を拡充し、BGOシンチレータ、超小型光電子増倍管の増設により、256BGO検出器のシステムとし、2.5倍の計数率向上を実現できた。また、40K迄の低温測定が可能となった。(2)単結晶試料の2次元電子運動量分布の様々な方位での測定結果から、3次元の電子運動量分布を再構成する方法を開発した。この方法は、測定データのフーリエ変換を直接利用するもので、非常に再現性の良い方法であることを実証できた。(3)アルミニウム、銅中の刃状転位周囲の電子運動量分布の測定を行ない、完全結晶のそれと比較し、アルミニウムのフェルミ面のモンスターおよび銅の〈111〉ネックの消失を確認した。(4)鉛および鉛希薄合金、NiAl規則合金の単結晶試料を作成し、十分に焼鈍した状態での電子運動量分布を測定し、3次元の電子運動量分布を決定し、LCW解析によりフェルミ面を決定した。62年度に実施予定の鉛の熱平衡原子空孔,鉛希薄合金の原子励起子,急冷したNiAl中の複空孔,単一原子空孔近傍の電子運動量分布の測定に対して、対比すべき完全結晶のデータを準備することができた。(5)理論面では、ポジトロニウムの運動量分布と表面の電子運動量分布との間に、極めて密接な関係があることを確認し、ポジトロニウムの速度分布および角度分布の測定から表面電子の運動量分布を得ることができることを示した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 谷川庄一郎,鈴木良一,水原洋治,塩谷亘弘: J.Phys.Soc.Japan.

  • [文献書誌] 谷川庄一郎,鈴木良一,水原洋治,塩谷亘弘: J.Phys.C.

  • [文献書誌] 谷川庄一郎,鈴木良一,水原洋治,小松原武美,大貫惇睦: J.Phys.Soc.Japan.

  • [文献書誌] 谷川庄一郎: 日本金属学会会報.

  • [文献書誌] 石井晃: Physical Review B.

  • [文献書誌] 石井晃: Physical Review Letters.

  • [文献書誌] 谷川庄一郎: "応用物理学ハンドブック(陽電子消滅)" 丸善, 3

  • [文献書誌] 谷川庄一郎: "核物性" 丸善, 250

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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