研究概要 |
分子線エピタキシー法によれば異種の金属を周期的に積層させた周期的金属多層膜の他にもフィボナッチ配列(ABAABAPA...)により積層させた準周期性をもつ多層膜も作製することが可能である. 今年度は結晶構造は同じfccであるが磁気特性の異なるCuとNiの組み合わせによりこの周期性および準周期性をもつ金属多層膜を作製し人工的に導入した準周期性が磁気特性に与える影響を検討した. Cu/Ni多層膜の最適な成長条件を決定するためにSi(100), サファイアC^1面,サファイアA面の3種類の基板を用い基板温度を様々に変えて作製を行なった. 反射高速電子線回折による成長中の表面観察およびX線回折の結果から, 基板としてサファイアC^1面配向単結晶を硫酸エッチングしたものを使用し, Cu2000 この最適条件で作製した周期,準周期Cu/Ni多層膜の磁化ー磁場特性を振動試料型磁力計により測定した. Cu/Ni多層膜の容易磁化軸は膜面に平行な方向にあり, 周期多層膜では, 積層周期が短かくなるとNi層の単位体積当りの飽和化は減少した. これはNi層とCu層の界面で2原子層の非磁性の層が存在すると仮定するとこの飽和磁化のNi層厚依存性をよく説明できた. 準周期的な積層であるフィボナッチ多層膜では, Ni22
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