研究課題/領域番号 |
61460205
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川辺 秀昭 阪大, 工学部, 教授 (90028978)
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研究分担者 |
安武 潔 大阪大学, 工学部, 助手 (80166503)
芳井 熊安 大阪大学, 工学部, 助教授 (30029152)
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キーワード | イオンビームスパッター蒸着 / 多層薄膜 / 金属 / アモルファス薄膜界面 / 界面反応 / アモルファス炭化ケイ素 |
研究概要 |
本研究は、セラミックス薄膜と金属薄膜とを積層し、積層効果と界面効果によって新しい物理的・機械的特性を持つ材料の開発を目的としている。そのため本年度は、所望の新素材を容易に作製できるように現有のスパッター蒸着装置を改良すると共に、界面の微視的構造に関して基礎的知見を得た。 1.装置の改良 現有のスパッター蒸着装置を、イオンビームスパッター方式に改め、それに伴い精度よく多層化できるように回転式ターゲット台を装備し、基板台は温度を最高700℃になるよう改装する、以上3点について設計・改良を加えた。またドライな超高真空の得られる拝気系を設備した。改装した装置の性能を現存検討中である。 2.金属/SiC界面の構造を調べるため、Al、Mo薄膜とSiC薄膜との多層薄膜を作製し、その界面を透過電顕、反射電子線回折、オージェ電子分光法等によって解析し、次のような結果を得た。(1)(001)Siウエハ基板上に作製したSiC薄膜は、基板温度が300℃までは非晶質状(a-SiC)で、これを結晶化するためには1000℃以上の温度で熱処理する必要があった。 (2)a-SiC薄膜上のAlの成長過程のRHEED観察結果から、Al成長核は三次元的なものになりやすく、かつ成長初期に(110)配向をとる傾向にあることがわかった。 (3)AlやMoとa-SiC薄膜界面には、基板温度が室温でもAl、MoとCとの化合物が存在した。 (4)a-SiC/Al/a-SiC三層薄膜の透過電顕内加熱連続観察の結果、300〜400℃でAl層内へSiの析出・結晶化が生じ、500℃以上に保持中に界面へ、【Al_4】【C_3】が形成されることがわかった。
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