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1986 年度 実績報告書

化学修飾による木材の音響的性質の改良

研究課題

研究課題/領域番号 61460213
研究機関京都大学

研究代表者

則元 京  京大, 木材研究所, 助教授 (20027163)

研究分担者 大釜 敏正  千葉大学, 教育学部, 助教授 (60093209)
湊 和也  京都大学, 農学部, 助手 (10026601)
岡村 圭造  京都大学, 農学部, 教授 (50026506)
キーワードアセチル化処理 / ホリマール化処理 / 楽器,クリープ / 応力緩和 / 寸法安定性 / 音響的性質 / 内部摩擦
研究概要

楽器用木材の音響的性質を、化学修飾によって改良する目的のために、改良点を、二側面より検討した。一つは、物性、特に音響的性質そのものの改良であり、一つは、楽器として組上げられた場合に、湿度変動によって生じる寸法の不安定性およびそれに伴う楽音の不安定性の改良である。本年度は、化学処理として、液相アセチル化と、気相ホルマール化を行なった。前者の音響的性質の改良について得られた結果は、1.アセチル化処理によって、(1)結晶化度および強度的性質は、重量増加率25%まで変化しない。(2)湿度62%における平衡含水率は、著しく減少し、重量増加率10および20%では、その減少率は、37および60%である。(3)気乾状態における誘電率は、著しく減少し、電気絶縁性は、大きく改善される。(4)重量増加率とともに、比較的ヤング率は、若干減少するものの、音響的性質を評価する上で極めて重要な内部摩擦は減少し、木材は、響きやすくなる。(5)材色の変化は、わずかである。(6)処理材を振動板に用いたスピーカーの試作で、良好なものが得られた。ギターについては、目下性能評価中である。2.ホルマール化処理によって、(1)重量増加および結晶化度の抵下を伴うことなく、平衡含水率が著しく減少する。(2)比動的ヤング率は増加し、内部摩擦は著しく減少し、音響的性質は、飛躍的に改良される。(3)欠点として、着色および強度の低下が生じる。一方、後者の寸法安定性の改良について得られた結果は、1.処理によって、湿度変動過程における木材のクリープ変形および応力緩和は、著しく小さくなり、楽器の寸法安定性が得られ、音色の不安定性が改良される。ホルマール化処理は、アセチル化処理よりさらに効果がある。2.アセチル化処理材を、ピアノピン板部分に用いた実寸モデルについての湿度変化過程におけるピアノ弦のゆるみの測定で、著しい改良が認められる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 矢野浩之: 木材学会誌. 32. 984-989 (1986)

  • [文献書誌] 矢野浩之: 木材学会誌. 32. 990-995 (1986)

  • [文献書誌] 趙広傑: 木材学会誌. 33. 136-142 (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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