まだ固まらないコンクリートでプレーン、空気量4.0%、6.0%、8.0%とした10×10×40cmの角柱供試体をつくり、これを長さ10cmにカットし、研磨して酸化コンクリートの空気量測定のための試料とした。酸化コンクリートの空気量測定はASTMのリニヤトラバース法によった。空気量の測定結果は、次表のとおりである。 生コンのプレーンの空気量(自然潜入空気)が2.9%と実測されたのは、このコンクリートの粗骨材の最大寸法が20mmと小さかったためである。したがって、AEコンクリートでは生コンの実測空気量から2.9%を差引いた地が連行空気量ということになる。これに対して硬化したコンクリートの実測空気量は、いずれも生コンの連行空気量よりも小さい値を示した。これは硬化コンクリートの空気量測定では120倍の顕微鏡を用いているため、これでは測定できない微細な気泡が含まれていることを示している。 凍害に対する抵抗性は、空気量よりも気泡の大きさ・数・間隔が影響するといわれてきた。間隔係数が250μ以下であれば凍害に抵抗できるとされてきた。この実験ではプレーンの574μを除いては、303μ・206μ・186μと連行空気量が多いほど間隔係数が小さくなっている。 この結果からプレーンでは凍害に対して抵抗できないこと、これ以外のAEコンクリートでは間隔係数、比表面積、粒径分布などから耐凍性であることがかなりの精度で推定できる。このことは別に行った供試体の凍結融解試験の結果からも明らかである。
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