1 蒸気養生工程を経たコンクリートでも連行空気が凍結融解作用に対して大きな抵抗力をもつ。しかも前置き時間の短かい1日2工程で成形した供試体についても認められた。 2 コンクリートの圧縮強度と耐久性の間には相関が認められない。コンクリートの耐久性は専ら連行空気によって左右される。 3 コンクリート製品の表面に発生した気泡面積は、凍結融解作用によつて成長する。しかし、空気を連行した製品であれば300サイクル後も崩壊などの現象は認められなかった。これに対してプレーンコンクリートでは90サイクルで崩壊している。 4 この実験結果からはコンクリート製品に連行する空気量は、生コンの状態で6.5%が限度となる。 5 空気量を生コンの状態で4.5%としたAEコンクリートでも振動後の空気量によっては凍結融解作用に対する抵抗性が期待できないこともある。 6 製品工場の振動台による空気量では、振動によって空気量が約半分に減少するのは空気量2.1%のプレーンコンクリートの場合は振動時間1分後、空気量4.5%のAEコンクリートでは2分後、空気量6.0%の場合は4分後となる。 7 この実験では、硬化後のコンクリートの連行空気量は少ないもので2.5%、多いものでは3.8%となった。 8 実測によると気泡の間隔係数は、平均220μであり最大の254μの供試体でも十分耐凍性を示した。 9 気泡の粒形分布をみると200μ程度以下の空気泡が大部分を占め、これら微細な気泡が凍害によるコンクリートの劣化を防いでいる。
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