研究分担者 |
小林 慎太郎 京都大学, 農学部, 助教授 (20026602)
丸山 利輔 京都大学, 農学部, 教授 (90026451)
内田 晴夫 京都大学, 東南アジア研究センター, 助手 (10168700)
田中 耕司 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (10026619)
高谷 好一 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (90027582)
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研究概要 |
資料収集について 第2年次に集められた資・史料のうち, 特徴的なものは以下のとおりである. (1)別件により現地で農村調査などが進められているバングラデシュでは, 第1年次に引続き, 農地開拓史や農業史に関する比較的古い文書を, 国立あるいは県立の古文書館などで集めることができた. (2)東南アジア諸国の, 潅漑関係の調査・計画・設計報告書はきわめて多数にのぼり, それらは農用地開発公団や国際協力事業団に所蔵されているが, そのうち基礎的な文献やマスタープランのための基礎資料として価値の高いものを集中的に収集した. (3)上に関連した, 潅漑に直接かかわらないが, 地域開発問題の基礎的文献になりうるものについても, 相当数を集めた. 分析について (1)東南アジア全体:東南アジアの自然環境と水利様式の特徴について第1年次から引続いて研究し, 完成させた(発表ずみ). (2)バングラデシュ:農地地拓史や農業史に関する古文書は一次資料としての価値が高いので, まず資料集としてとりまとめた. 一部は仮出版した. (3)インドネシア:バリ島のスバック潅漑システムはその施工技術の精緻さと水管理組織の特異性によってつとに知られている. その水管理組織や水法に関する基礎的文献を翻訳した. (4)タイ:とくに東北タイの小規模潅漑や農村開発について諸情報を整理した. (5)その他:東南アジアの主なデルタの開拓過程について比較研究を継続中. 今後の研究の展開について 自然環境, 農業生態と潅漑様式の関係を整理しまとめてゆく従来の方向に加えて, その潅漑様式を生みだした歴史と社会制度的な枠組の分析を重視する必要がある.
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