研究分担者 |
田中 仁 京都大学, 理学部, 教務職員 (90183863)
前川 孝 京都大学, 理学部, 助手 (20127137)
曄道 恭 京都大学, 理学部, 助教授 (50025384)
TANAKA H. Kyoto University, Department of Physics, Assistant Researcher (20025240)
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研究概要 |
トカマク型の核融合炉の定常運転には非誘導的に定常電流を流す事が必要不可欠である. 定常電流を効率良く流すためにはバルク電子の熱速度よりも大きな速度を持ちクローン衝突のしにくい高速電子を利用するのが良い. 本研究においてはこの高速電子ビーム(EB)をプラズマ中に入射生成させる手段として直接入射, 低域混成波(LHW), 電子サイクロトロン波(ECW)の3つを用い, それぞれについて実験的検証を行ない, 比較検討した. 研究成果をまとめると, (1)高トロイダル磁場下でプラズマ・アノード法により無電流EC共鳴プラズマにEBを直接入射し入射ビーム電流の9倍のアラズマ電流を駆動する事に成功した. EB入射にはErXBtドリフトとトロイダルドリフトが重要な役割を果たしていると考えられる. (2)ジュール加熱(JH)プラズマにEBを直接入射し, もとのジュール電流に重畳してEBによるプラズマ電流が生成された事を実験的に示した. EB入射時に多量の不純物が流入してプラズマを汚染する事をいかに防ぐかが今後の課題である. (3)LHWをJHで作ったターゲットプラズマに入射して温度80KeV相当の高速電子を生成し, プラズマ電流を駆動する事ができた. この高速電子はLHWのランダウ減衰により共鳴電子が磁力線方向に加速されて形成される. (4)ECWをJHで作ったターゲットプラズマに入射して高速電子を生成しプラズマ電流を駆動した. 特に第2高調波を用いた電流駆動の実験的検証を世界で初めて行なった. この駆動電流はECWにより磁力線に垂直方向に加速された電子が磁力線に対して非対称な速度分布を形成するために流れると考えられる. 今後はこれらの電流駆動の手法を組み合わせてより効率の良い複合電流駆動の研究を行なう必要がある. 本研究はこの複合電流駆動の研究に対して基礎的なデータを提供している.
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