• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

強誘電性圧電体表面に接合した金属および半導体薄膜の触媒作用に及ぼす弾性表面波効果

研究課題

研究課題/領域番号 61470003
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

井上 泰宣  長岡技術科学大学, 分析計測センター, 助教授 (30016133)

研究分担者 佐藤 一則  長岡技術科大学, 分析計測センター, 助手 (20143828)
キーワードニオブ酸リチウム / 触媒作用 / 弾性表面法
研究概要

前年度では,強誘電性圧分体LiNbO.ナ_<3.ニ>のもつ分極場が接合した酸化物薄膜の吸着作用に及ぼす静的効果を明らかにした. この結果をもとに, 本年度は同圧電体に発生できる弾性表面波が接合したPd金属閉ま触媒機能にどのような動的効果を与えるかを各種触媒反応についてしらべた. また, この触媒素子表面に各種気体(H_2,CO,O_2)が吸着した場合の表面波の変化もしらべた. 128°ーYーLiNbO.ナ_<3.ニ>基板上に電極周期200μm,線幅25μmのすだれ型電極対をリソグラフィー法により取付け,19.5MHzに極大をもち±1nHzの幅を持つフィルター特性を示す素子を作製した. この素子の発信および受信用電極間の空所にPd金属を所定の膜厚で接合し触媒素子とした. 気体の吸着による表面波の位相および強度変化の測定には, 触媒素子を解析機器であるネットワークアナライザーに直接接続し,表面波をエネルギー波として用いる場合には触媒素子とアナライザー間に増幅器ー減衰器を組合せた回路を導入した.Pd表面に酸素を吸着させた場合に,表面波の強度変化は低圧で著るしく数十Torrでほぼ定常値に達し, 吸着等温線に類似した関係を示した. この酸素吸着表面にH.ナ_<2.ニ>を導入すると吸着前の強度にほぼ戻ること,およびPdを接合しないLiNbO.ナ_<3.ニ>基板単独ではO.ナ_<2.ニ>吸着によって変化する量は1/10以下であることから,この変化はO.ナ_<2.ニ>吸着を反映していることが示された. この結果から,表面波の変化を追跡することにより極めて微少の表面原子(10^<14>〜10^<15>原子数)への吸着が測定できることが明らかにされた, 触媒反応として酸化反応(CO+O.ナ_<2.ニ>,H.ナ_<2.ニ>+O.ナ_<2.ニ>),水素化反応(C.ナ_<2.ニ>H.ナ_<4.ニ>+H.ナ_<2.ニ>),および分解反応(CH.ナ_ OH+O.ニ_2,CH.ナ_<3.ニ>OH)に対する表面波の効果では,水素化反応に対してはほとんど影響が無いのに対し,CH.ナ_<3.ニ>0H分解反応ではわずかに効果がみられ,H.ナ_<2.ニ>+O.ナ_<2.ニ>反応では反応活性が増加する効果が見出された. 以上の結果から極性分子が反応過程に関与する触媒反応に対し弾性表面波が有効となることが明らかにされた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yasunobu Inoue;Kazunori Sato;Osamu Hayashi: J.Chem.Soc.Faraday Trans.I.83. 3061-3068 (1987)

  • [文献書誌] Yasunobu Inoue;Osamu Hayashi;Kazunori Sato;Toyoyuki Kubokawa: "Proc.9th International Congr.Catal.," Elsevier,

URL: 

公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi