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1988 年度 実績報告書

準安定ジラジカル種の化学機能の解析と反応設計

研究課題

研究課題/領域番号 61470007
研究機関大阪大学

研究代表者

笛野 高之  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029387)

研究分担者 山口 兆  大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80029537)
奥山 格  大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029484)
キーワードイミノラジカルNH(^3Σ^-) / 1,3ー水素移動反応 / HNOOジラジカル / ヒドロペルオキシニトレン / 反応経路 / 遷移状態 / エネルギー障壁
研究概要

1.NH(^3Σ^-)とNOとの反応(実験)
NH(^3Σ^-)がNOと反応すると、まず付加体HNーNOを生成するが、2重項曲面のconical crossingにより、付加体はNH(^1Σ)の場合と同様にX^^〜^2A′状態にあると予想される。HNーNO(^2A′)はつづいて単分子分解する。
NH(^3Σ^-)+NO→HNーNO(^2A′)→H+N_2O (1a)
N_2+OH (1b)
NO存在下でイソシアン酸HNCOを衝撃波分解させ(〜3500K)、生成してくるOHの濃度を発光(X←A)強度変化から追跡した。OH濃度変化の計算機シミュレーションより、k/b/k_1=0.4±0.1を得た。k_<1a>/k_1は0.6であると考えられる。分岐率(k_<1a>:k_<1b>)0.6:0.4は、常温におけるNH(^1Δ)の反応の場合の分岐率0.7:0.3に近似しており、理論的予測にも合う。
2.NH(^3Σ^-)とO_2との反応(理論と実験)
付加体HNーOOには、1重項と3重項があり、それぞれについてππ、πσ、σπ、σσ形電子配置およびCiSとtransの構造が可能である。6ー31G**基底関数を用いて、これらすべての構造をSCF最適化し、相対エネルギーを配置間相互作用計算した。基底状態は、^1ππ形であるが、その電子構造は閉殻系をなしている。これは次式のように生成し消滅する。
NH(^3Σ^-)+O_2(^3Σg^-)→HN=O→O→NーOOH→NO+OH (2a)
(X^1A^1) →HーNO→HONO (2b)
H移動(2a)と環化(2b)の経路をMCーSCF計算によって追跡し、遷移状態構造を求めた。CI計算によると、エネルギー障壁は始原系を基準としてそれぞれ77および141RJ/molである。明らかに(2a)のほうが優勢である。OHの生成が観測されたが、反応の活性化エネルギーの実験値はEr=19RJ/molであった。O_2(^1Δ)との反応では、HNOが生成する。
NH(^3Σ^-)+O_2(^1Δ)→HNーNーO(^3ππ)→HNO+O(^3P)

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] TAKAYUKI FUENO: Theonet chim.Acta(Berlin). 73. 123-134 (1988)

  • [文献書誌] TAKAYUKI FUENO: Macromolecules. 21. 908-912 (1988)

  • [文献書誌] TAKAYUKI FUENO: J.Mol.Struct.(Theochem). 170. 143-149 (1988)

  • [文献書誌] TAKAYUKI FUENO: Chem.Phys.124. 265-272 (1988)

  • [文献書誌] TAKAYUKI FUENO: J.Am.Chem.Soc.

  • [文献書誌] TAKAYUKI FUENO: J.Chem.Phys.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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