研究概要 |
1.熱分解反応装置と質量分析装置とを直結することにより, 不安定な熱分解生成物の検出を可能にし, 最適生成反応条件の設定を容易にした. さらに, 熱分解反応装置とマイクロ波分光装置とを直結し, 熱分解生成物の回転スペクトルを観測し, 分子定数, 分子構造を決定することができ, 熱分解生成反応機構について検討した. 2. 【*KA*】 およびその重水素化物の熱分解により, 【*KA*】 およびこれらの環内水素の重水素置換体を生成することが 【*KA*】 でき, これらの生成反応機構 3. 【*KA*】 と 【*KA*】 の600°Cでの熱分解で 【*KA*】 , 【*KA*】 と 【*KA*】 が生成し, これらの生成物をさらに800°Cの反応管に通すと, 【*KA*】 と 【*KA*】 が得られた. 【*KA*】 の存在はCH_3の切断後, 環内で水素又はCN基が移動したことを示し, 【*KA*】 の生成はCH_3基が環内に取り込まれて, 六員環にな〓〓〓 4. 【*KA*】 の600°Cでの熱分解で 【*KA*】 が生成した. 800°Cでの熱分解では, 【*KA*】 と 【*KA*】 が生成したが, 【*KA*】 は得られなかった. このことは, 3.の実験結果の 稚〓〓〓 5.Flow反応装置を直接質量分析装置とマイクロ波分光装置の試料セルに連結し, 室温で不安定なシアン酸エチル(CH_3CH_2OCN)の合成, 検出, 回転スペクトルの観測, 分子定数および分子構造の決定を行なった. まず, チオウレタンを加熱し, その蒸気と酸化水銀(固体)とを接触反応させ, 生成物のマススペクトルを観測したところ3m/z=71(C_3H_5NO)のピークが得られ, シアン酸エチルが生成した可能性のあることが判った. そこで最適反応条件で, マイクロ波スペクトルを観測したところ, シアン酸エチル(CH_3CH_2OCN)の回転スペクトルが得られ, その解析により, 分子定数, 分子構造を決定することができた.
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