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1988 年度 実績報告書

非プロトン溶媒系における配位子置換平衡を利用する細管等速泳動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61470032
研究機関北海道大学

研究代表者

吉田 仁志  北海道大学, 理学部, 教授 (80000777)

研究分担者 田中 俊逸  北海道大学, 理学部, 助手 (30142194)
キーワード細管等速電気泳動 / シアノ錯体 / カテコール類 / メンブランフィルター補集 / 錯形成平衡
研究概要

細管等速電気泳動の分離能の向上、高感度化を目的として幾つかの新しい泳動系を開発した。
1.本法における分離能制御の機能はこれ迄その殆どが泳動系のリーディング溶液側の構成成分に依存してきた。そこで新たな手法としてターミナルゾーン成分に実効移動度調節機能をもたせた泳動系の開発を進めた。その1つはシアンイオンをターミナルイオンとするものである。この泳動系によるとき試料として注入した重金属、貴金属イオンは容易にシアノ錯体に変換でき、シアンイオンとの錯形成平衡と相まち良好な泳動分離が達成できる。
ターミナルゾーンを活用するもう1つの泳動系は、中性領域で通常泳動分離が困難なカテコール類を対象として開発したもので、ホー酸をターミナルイオンとしている。この系内においてカテコール類は、ホウ酸と反応して、荷電化学種に変換されることから、それらの泳動分離が可能となる。
2.等速電気泳動法の大きな欠点の1つである定量限界の改善を目標として、メンブランフィルター補集濃縮を併用するリン酸、ヒ酸、ケイ酸、ゲルマニウム酸およびドデシル硫酸の分離法を検討した。開発した方法は、上記イオンにモリブデン酸塩を加えてヘテロボリ酸とし、これをBis〔2-5-chloro-2-pyridylazo)-5-diethyl-aminiphenolato〕Co(III)とのイオン対としてMF上に補集後、DMFに溶解する。これを泳動系に注入して解離させたのち、Mg^<2+>との錯形成平衡とメタノールの溶媒効果の活用により泳動分離する方法である。
3.これ迄困難とされてきた多量成分共存下の微量重金属イオンの泳動分離法について研究を進めた。酢酸-酒石酸、ε-アミノカプロン酸からなる泳動系によるとき、Fe(III)より共沈捕集濃縮した微量Cd(II)、Co(II)、Ni(II)、Zn(II)が酒石酸イオンとの錯形成平衡の活用により、多量の担体Fe(III)の存在下において泳動分離できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.TANAKA/T.KANETA/H.YOSHIDA: J.Chromatogr.447. 383-386 (1988)

  • [文献書誌] M.TAGA/M.KAN/F.KOMATSU/S.TANAKA/H.YOSHIDA: Analytical Sciences.5. (1989)

  • [文献書誌] S.TANAKA/T.KANETA/H.YOSHIDA: Analytical Sciences.5. (1989)

  • [文献書誌] S.TANAKA/T.KANETA/H.YOSHIDA: J.Chromatogr.(1989)

  • [文献書誌] M.KAN/F.KOMATSU/S.TANAKA/H.YOSHIDA/M.TAGA: J.Chromatogr. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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