• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

形態選択的ポルフィリン錯体触媒の開発とその基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 61470041
研究機関東京大学

研究代表者

宮本 健  東大, 理学部, 助教授 (30011604)

キーワードポルフィリン / 次亜塩素酸 / エポキシ化 / 酵素類似機能 / 錯体触媒
研究概要

オルソ位を保護した二種のポルフィリン,メソ-テトラキス(26-ジフルオロフェニル)ポルフィリンとメソ-テトラキス(2-ニトロ-35-ジ-t-ブチルフェニル)ポルフィリンを合成し、鉄・マンガン錯体へ誘導した。
これらの錯体を触媒に用い、次亜塩素酸を酸素源として、オレフィン(スチレン,シクロオクテン)のエポキシ化を行った。 従来次亜塩素酸を酸素源とする反応系では、Mi塩のみが触媒として有効といわれ、鉄塩の触媒活性は極端に低いと信じられていた。 そこで、最初に上記二種のMnポルフィリンの触媒能を調べたところ従来のMnTPPClよりも、耐久性,エポキシ化収率共にはるかにすぐれていることが判明した。 これらの結果から考えて上記二種のポルフィリンを用いれば鉄錯体でも有効な触媒になるかもしれないという期待から、鉄塩を用いてエポキシ化反応を行った。事実、これらポルフィリンの鉄錯体は、従来しばしば用いられてきたMnTPPClよりも良好なエポキシ化収率を与え、特にシクロアルケンのエポキシ化には、Mn触媒系よりもはるかに有効であった。 鉄ポルフィリンー次亜塩素酸系でのエポキシ化反応は、酵素反応によく見受けられる基質(オレフィン)飽和反応特性を有し、良好なP-450モデルとなった。 またメソ-テトラキス(2-ニトロ-35-ジ-t-ブチルフェニル)ポルフィリンの四種の異性体のうち、【α^4】型のマンガン塩は、スチレンのエポキシ化に際し、塩基との組合せより、非対称ポルフィリン両面のうち、開口面の方で反応し、活性点選択性の高い反応を行うことが判明した。 以上総括すると、今年度は形態選択性発現の基本といえる反応面選択性の発見、触媒反応の基本ともいえる触媒耐久性の向上を実現し、Feポルフィリンー次亜塩素酸系からなる酵素類似機能をもつ新反応システムを構築できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 高木繁,宮本健,佐佐木行美: Bull.Chem.Soc.Jpn.59. 2371-2373 (1986)

  • [文献書誌] 高木繁,高橋英太郎,宮本健,佐佐木行美: Chem.Lett.1275-1278 (1986)

  • [文献書誌] 宮本健,高木繁,長谷川泰,都築誠二,高橋英太郎,奥出幸二郎,坂野斎,佐佐木行美: Bull.Chem.Soc,Jpn.60. (1957)

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi