研究課題/領域番号 |
61470045
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂東 尚周 京大, 化学研究所, 教授 (70027027)
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研究分担者 |
中山 則昭 京都大学, 化学研究所, 助手 (00164369)
高野 幹夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70068138)
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キーワード | 人工格子 / 単結晶膜 / 人工超格子 / 中性子線回折 / 歪超格子 / 原子層制御 / エピタキシャル成長 / セレン化物 / 反強磁性酸化物 |
研究概要 |
1.(PbSe)m(SnSe)nの合成と構造 m.nの値によって結晶構造が4つに分かれ、m、nが大きい場合はそれぞれバルクと同じ結晶構造をとる。その界面の高分解能電子顕微鏡観察に成功し、界面構造を明らかにした。n>4で6≦m≦12の領域で、PbSeはSnSeと同じ構造をとるが面間距離はPbSeと同じである。m=n=3以下では超格子線がみられ、その強度は計算値と比較的よく一致し、1原子層まで制御されていることが明らかになった。 2.(CoO)m(NiO)nの単結晶性と磁性 EuSe/PbSe系を検討したが、真空度が少し悪いため、EuSeが酸化するので本計画を変更し、酸化物系で検討した。サファイヤC面では(111)面でエピタキシャル成長した人工格子が生成し、非常に良質の単結晶が生成することを見出し、中性子線回折で磁性を検討した。単結晶性についてはX線回折によるロッキング曲線を基板のサファイヤと比較したが、m=n=3やm=1、n=10のように原子層を少なくして積層すると、サファイヤと同程度のシャープな曲線となり、200℃という低い温度で良質の単結晶が得られることが判明した。しかも、NiO、CoOの単独の結晶より人工格子の方が良い結晶になっている。中性子線回折は単結晶性がよいため、500【A!°】〜1000【A!°】の薄膜でも強い磁気散乱ピークが得られ、磁気構造やネール点の測定に成功した。m=n≦7の人工格子ではネール点は固溶体と同じ挙動をとるが、m、nが大きくなるとCoOと同じ温度でネール点を持ち、それ以上ではNiO層はスーパーパラ的になると考えられる。さらにm=1、n=10の場合には、回折線がシャープとなり、単磁区構造になっている可能性があり、非常に興味のある現象を見出した。 3.【Bi_2】【O_3】/Ma【O_3】系人工格子 この系についてはサファイヤの上にまず【Bi_2】【O_3】がエピタキシャル成長することを見出した。
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