研究課題/領域番号 |
61470049
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
満塩 博美 高知大学, 理学部, 教授 (20036536)
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研究分担者 |
安田 尚登 高知大学, 理学部, 助手 (90175646)
西沢 均 高知大学, 理学部, 助教授 (60036598)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 水熱条件 / 続成作用 / シリカゲル / 結晶化過程 / ドロマイト / ジルコニア / 石灰岩 |
研究概要 |
1.極浅海域の海洋地質研究の一貫として福岡湾北方、相の島沖の底質について分析を行い海底地形、底質分布、貝殼量と磁性鉱物量、貝殼遺骸を調べ、すでに報告している、福岡湾の湾口部との比較検討を行った。 2.各種コバルト化合物がシリカゲルの結晶化に与える影響を調べると、大洋底に広く分布しているマンガンノジュールに含まれているコバルトがシリカゲルの結晶化を促進していることがわかった。しかし本体のマンガンはむしろ逆に結晶化を妨害していた。石灰岩とチャートの成因について解明するため、まだ炭酸カルシウムの水熱条件下における溶解度を測定し、その固形部のシリカゲルの結晶化を検討した結果、天然における石灰岩とチャートの共生関係が実験室的に説明された。さらに天然における非晶質シリカの代表である太平洋の海洋底の放散虫軟泥の水熱変化についても検討したが、放散虫軟泥そのものを水熱処理すれば数百時間で結晶化することがわかった。 3.アラゴナイトを主成分とする貝殼を出発物質として塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどの各種イオンを含む水溶液中で処理しドロマイトの生成過程を追跡する実験を行い、ドロマイトが生成する前段階としてほぼ一定のマグネシウムを固溶したHMC、LMCが生成するがこれらの安定性は出発物質である炭酸カルシウムの結晶系に依存しており、アラゴナイトの場合、比較的低い温度で急速にドロマイトが生成することがわかった。 4.シリカゲルとの類似性からジルコニアゲルの結晶化についても研究を行い235℃とかなり低い温度で急速に結晶化が起こり準安定相の正方晶ジルコニアが生成することがわかった。また堆積作用の解明のため、安定化ジルコニアの水熱ホットプレスを行い、その結果、処理温度を上昇させた場合2次粒子間の凝集度合を増し、また成型圧を上げることによって2次粒子の発達を促すことがわかった。
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