研究課題/領域番号 |
61470054
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戸沢 一光 東北大学, 選鉱製錬研究所, 教授 (80006626)
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研究分担者 |
韓 寛洙 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (90189720)
西村 忠久 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (60006054)
梅津 良昭 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助教授 (10005423)
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キーワード | 溶解度 / 高温水溶液 / 硫酸塩錯体 / 生成定数 |
研究概要 |
非鉄金属の湿式製錬では硫酸塩水溶液がもっとも広く用いられている。また最近は加圧することによって溶液の沸点以上の温度での浸出反応、沈澱析出反応も実際に利用され、大きな成果を上げている。このような高温における湿式製錬反応を解明し、さらに発展させるためには、高温における金属硫酸塩水溶液の熱力学的性質、即ち硫酸塩錯体の生成定数を明かにする必要がある。しかし現在25℃の数値が報告されているのみで、高温における数値は全く欠落しているといってよい。そのため高温における湿式製錬反応を詳細に検討することができない状況にある。本研究では各種金属硫酸塩を共存されて硫酸カルシウムの溶解度を高温まで測定することにより、金属硫酸塩錯体の生成定数を推算することと、紫外部吸収スペクトルを高温まで測定し、高温の硫酸塩錯体の生成定数を直接測定することを試みた。 硫酸カルシウムの溶解度への硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸コバルト、硫酸マグネシウムの共存の影響を200℃まで測定し、硫酸塩の共有により溶解度は上昇することを見出した。これらの測定値より硫酸塩錯体の生成定数を推算した。 過塩素酸銅溶液に種々の量の硫酸ナトリウム溶液を加えて硫酸銅錯体を生成させ、その紫外部吸収スペクトルを測定し、種々のイオン強度における硫酸銅錯体の生成定数を決定した。測定には特別に設計した高圧セルを使用し、石英ファイバーにより分光光度計と接続したので、溶液の沸点以上まで測定ができ、高温までの硫酸塩錯体の生成定数を決定した。その結果、温度の影響は大きく、温度の上昇により硫酸塩錯体は極めて生成しやすいことが判明した。
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