研究課題/領域番号 |
61470097
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田畑 昌祥 北海道大学, 工学部, 助教授 (50091476)
|
研究分担者 |
横田 和明 北海道大学, 工学部, 教授 (30001217)
酒井 洋輔 北海道大学, 工学部, 助教授 (20002199)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1988
|
キーワード | ポリアセチレン / ポリエニルラジカル / ソリトン / 絶縁破壊 / アルキルラジカル / ドーピング |
研究概要 |
本研究の目的はポリエチレンを高電圧絶縁破壊し、ポリアセチレンへ脱水素により転換させることが目的である。絶縁材料として、ポリエチレンが使用されているが、高電圧を印荷するとなぜ破壊され、この時、どのような不安定短寿命種が生成されるのかはこれまで明かにされていなかった。このため、この時生成される短寿命種を検出するために、電子スピン共鳴法(ESR)を用いて研究を行い以下に示す全く新しい知見を得た。 昭和61年度、ポリエチレンを絶縁破壊すると脱水素反応が起き、下記の2つの化学種、即ち、アルキルラジカル;(I)ポリエニルラジカル;(II)が 〜(CH_2CH_2)n〜→〜CH_2C^^・H_2〜+〜CH_2CH_2C^^・H(CH=CH)n アルキルラジカル ポリエニルラジカル 生じることが判ったので、初年度の装置の改良とラジカル生成の最適条件を捜した。ポリエニルラジカルはポリアセチレンと同一物と考えた。 昭和62年度 ポリエチレン;PEは高密度あるいは低密度に関係なく、IとIIのラジカルが生じること、(I)は熱処理によって一部IIのラジカルに転換すること。IIの中に存在するラジカルはMotional Narrowingを示し、即ち、アセチレンから化学的に合成したポリアセチレン(PA)のソリトンと同じ挙動を示すこと。生成ラジカルの帰属は計算機を用いて行った。 昭63年度 破壊によって形成されるPA中の二重結合の数は、77K破壊で〜30ケ、室温破壊で〜120ケまでになることが判った。従って、PEは絶縁破壊によって導伝性高分子であるポリアセチレンに転換し、これが電子のアクセプタであるヨウ素;I_2でドーピングされ、導伝高分子になることが新しく見い出された。
|