• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

液晶性高分子材料の性能発現機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61470101
研究機関京都大学

研究代表者

升田 利史郎  京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (10026007)

研究分担者 高橋 雅興  京都大学, 工学部, 助手 (50115870)
田中 皓  京都大学, 工学部, 助手 (50026225)
キーワード液晶性高分子 / 高性能高合分子材料 / 粘弾性 / レオロジー / 力学物性 / 流動配向挙動
研究概要

本研究の目的は、サーモトロピック液晶性高分子材料のレオロジー的研究を系統的に行い、正確なデータを基に、成形加工過程における性能発現の機構を明らかにするほか、新しい成形加工法について検討することにある。昭和63年度は、本研究の最終年度であるため、前年及び前々年度の実績をふまえ、以下に述べる研究を行い多くの新しい知見と著しい成果を得て、研究の目的がほぼ達成された。
液晶性高分子材料のレオロジー的性質と流動配向の研究については、前年度に引き続きPET-PHBコポリマーについて研究を行った。また、ヒドロキシプロピルセルロースの誘導体等についてもそのレオロジー的性質を測定した。コポリエステルの溶融物のレオロジー的性質は、PHB含量が高いほど液晶性が増大するが、溶融温度が高くなるため加工が困難となることが判明した。セルロース誘導体はコレステリック・サーモトロピック液晶を形成し、流動変形場で液晶構造が変化するのに対応し、ダイラタント流動などの特異な挙動を示すことが明らかとなった。いずれの試料においても流動配向は著しく、液晶性高分子の一般的特微を示した。
液晶性高分子材料の高温におけるレオロジー的性質は、一般的には不均質高分子液体のそれに類似し、液晶形成の程度に大きく依存する。一方で、流動変形下での分子鎖配向は極めて容易であり、低い応力場でも高強度高分子材料が成形される。場合によっては、分子配向が過度に進み、かえって材料の性能評価を低下させる場合すらあることが判明した。
本研究で結論づけられた新しい事実をふまえ、液晶性高分子材料の成形加工過程における構造制御の研究が、今後の重要な課題となろう。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] P.Driscoll: Polymer Journal. 20. 351-356 (1988)

  • [文献書誌] 高橋雅興: 日本レオロジー学会誌. 16. 53-65 (1988)

  • [文献書誌] 升田利史郎: 日本レオロジー学会誌. 16. 111-116 (1988)

  • [文献書誌] 李林: 日本レオロジー学会誌. 16. 117-124 (1988)

  • [文献書誌] A.Tanaka: Polymer Journal. 20. 987-1002 (1988)

  • [文献書誌] A.Tanaka: Polymer Journal. 20. 1003-1009 (1988)

URL: 

公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi