研究概要 |
モノシランと炭化水素ガスを原料ガスとして用いた熱CVD法によるSiC超微粒子の合成実験を行った. 炭化水素ガスとしてメタンを用いた場合とアセチレンを用いた場合を比較したところ前者は平均径40nmの中空状SiC粒子が生成したのに対し, 後者は平均径17nmの稠密なSiC粒子が生成した. また, 反応温度に関しては, 前者は高純度SiCを得るのに1400°C以上を必要としてが, 後者は1200°Cであった. さらに, アセチレンとモノシランとの混合方式を拡散型と予混合型で比較したところ化学量論比で同一反応温度条件下では, 拡散型の方がSiCへの転化率が上昇することがわかった. さらに, より低温でのSiC合成の可能性を検討するため, SiH_4/C_2H_2/H_2系で, 反応温度750〜1000°Cの温度範囲での合成を試みた. 生成微粒子のX線回析を行ったことろアモルファス状のSiCの生成が認められた. この生成粒子を電気炉を用いて1400°Cで熱処理を行ったところ, 結晶化SiC粒子が得られた. また, SiH_4/C_2H_2/H_2系で合成される粒子は, 900°C次下の低温で合成した場合, 中心にカーボンを多く含む核がSiC膜で被覆された複合粒子であることが示された. 最後に, SiH_4/C_2H_2/H_2系からのSiC生成反応速度式として, 以下の式が得られた. γ=κ[C_2H_2][SiH_4] ここで κ(l.mol^<-1>, Sec^<-1>)=7.04×10^6exp(-13240±100/RT)
|