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1987 年度 実績報告書

微水系バイオリアクターシステムの速度論

研究課題

研究課題/領域番号 61470115
研究機関名古屋大学

研究代表者

山根 恒夫  名古屋大学, 農学部, 助教授 (70026102)

キーワード微水系 / バイオリアクター / リパーゼ / 微孔性疎水性膜 / 油脂のグリセロリシス反応
研究概要

微水系バイオリアクターシステムの1例として, リパーゼによる油脂のグリセロリシス反応を取り上げ, 微孔性疎水性薄膜型バイオリアクターを用いた実験を実施して, 次の諸点を明らかにした.
1. 2枚膜を用いた実験により, 使用したPseudomonas fluorescensリパーゼの操作安定性を調べた. 半減期は40℃で約21日であった.
2. 副反応(加水分解)が起こり始める水分は酵素の純度によって異なった. すなわち, 粗製酵素では約4.0%であるが, 高純度酵素では, 3.0%であった. この現象は, 水の存在形態(酵素蛋白質結合水, 爽雑蛋白質結合水, 自由水)を区別して考える必要性を示唆している.
3.膜の種類として, 微孔性プロピレン膜(厚さ20μm)と微孔性テフロン膜を比較したところ, 後者の方が前者より優れていたが, 後者の方が機械的強度の点では前者より劣っていた.
4. グリセリン中の微水分を連続的にモニターする方法を検討した. グリセリン供給ライン中に電気伝導度測定用電極を挿入することにより, 電気伝導度の出力を測定し, この値から間接的に微水分が推定できた. ただし, グリセリン中の電気伝導度は, 温度や酵素の存在・非存在により変化した. これらのことを考慮して, 検量線を作成せねばならなかった.
5. カルシウムイオンの添加効果を調べた. 非反応時では, カルシウムは酵素の安定化にきわめて効果があったが, 連続反応時では, カルシウムはむしろ酵素の失活を促進した.
6. 微孔性疎水性薄膜型バイオリアクター(平膜モジュール)のスケールアップを実施し, 単位膜面積当りの油脂の供給流量がスケールアップの指標となることを明らかにした.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Tsuneo YAMANE: Journal of Japan oil Chemists'Society. 36. 402-408 (1987)

  • [文献書誌] Tsuneo YAMANE: Journal of Japan Oil Chemists'Society. 36. 474-479 (1987)

  • [文献書誌] Tsuneo YAMANE: Journal of Japan Oil Chemists'Society. 36. 638-642 (1987)

  • [文献書誌] Tsuneo YAMANE: Biotechnology and Bioengineering. 30. 963-969 (1987)

  • [文献書誌] 清水祥一: バイオリアクターシステム. 120 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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