研究課題/領域番号 |
61470116
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 伊織 京都大学, 工学部, 教授 (40026076)
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研究分担者 |
大嶋 正裕 京都大学, 工学部, 助手 (60185254)
長谷部 伸治 京都大学, 工学部, 助手 (60144333)
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キーワード | 重合度分布 / プロセス制御 / 適応制御 / インファレンシャル制御 / 重合反応器 |
研究概要 |
前年度までに、重合反応系における重合度分布と反応温度パターンとの関連を、ラジカル重合系を具体例として検討し、瞬間の重合度分布に着目して、バッチ反応終了時にポリマ転化率、製品重合物の平均重合度、およびポリディスパーシティの値が、希望の値に一致するような反応温度操作法を開発した。 得られた最適温度操作パターンを実現するためには、よりソフィスティケイトなアドバンスト制御系が必要となるが、対象としている重合反応系は強い非線形性を持つだけでなく、温度操作が非定常となり、しかも、反応進行中に多くの不確定性を伴なう、最も制御しにくい対象となっている。従って、その制御系はロバスト性に富むものが要求される。本年度は特にこの点に力を注ぎ、前年度に開発したAIMC(Adaptive Internal Model Control)、AICS(Adaptive Inferential Control System)ならびに、モデル予測制御(Model Predictive Control)のロバスト性を安定性、操作性の両面から理論的に検討するのみならず、コンピュータ・シミュレーションによる数値実験も平行して行い、分子量分布を考慮した重合反応の品質制御のための計算機援用システムの構築に向けて、多くの有用な知見えた。 また、最終年度に当たることから、3年間の成果を取りまとめ、重合反応系の計算機援用オペレーションシステム開発に役立てうる報告書を作成した。
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