研究概要 |
窒素肥料施与が各種作物の根張りに及ぼす影響 1.単位圃場面積当り全根長は, イネ・コムギでは約80kmm^<-2>に達し, 最も短いバレイショでも24kmm^<-2>であった. 表面積はイネ・コムギで80〜100m^2m^<-2>と単位圃場面積の約100倍にも達しており, ダイズ・バレイショにおいても30〜50倍であった. 体積はコムギ・トウモロコシで約91m^<-2>と最も大きく, バレイショでは2.5〜5.31m^<-2>と最も小さかった. 2.イネにおける単位圃場面積当り根の乾物重・長さ・表面積・体積およびダイズの長さ・表面積は窒素施与により小さくなった. コムギ・トウモロコシでは窒素処理区間でいずれの形質とも大差なく, バレイショ・テンサイでは全形質において窒素施与により大きくなった. 3.イネでは上層10cmでの根の分布が他作物種より極めて大きく, コムギでは上層での分布が大きい一方, 70cm以下までかなりの根が分布し, トウモロコシでは上層における分布は小さく, 約20cm層位でやや大きく, 60cm以下でコムギ以上の分布が認められ, ダイズでは上層でトウモロコシより大きかったが, 50cm以下への分布は僅かで, バレイショでは上層でトウモロコシと類似であったが, 40cm以下にはほとんど分布せず, テンサイでは表層で大きいが, 下層に向かうに伴って急減し, その後再び増大した. 4.根の分布割合は, イネでは窒素施与による差がほとんど認められず, コムギでは窒素施与により上層での分布割合は増加, 下層で減少, トウモロコシでは窒素施与により上層ではほとんど差がなく, 中層(20〜40cm)で減少, 下層でやや増加, ダイズでは窒素施与により上層で増加, 中増で減少, バレイショでは窒素施与により極く上層では減少, 中層(10〜20cm)で増加, 下層で差はなく, テンサイでは窒素施与により上・下層で増加したが, 中層(15〜30cm)で減少した.
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