研究概要 |
1.本学の管理された果樹園,飼料畑,野菜畑(いずれも黒ボク土)の作土層から分離されたVAミコリザ菌の胞子は、Gigaspora属2種(G.Margarita,G.Gregaria)及びGlomus属数種(未同定)であり、その分布、生態は、利用方式によって若干異なるようであった。 2.りん(【P!-】)施用レベルの異なる飼料畑圃場に栽培されたトウモロコシ及びコムギについて、生育に伴うVAミコリザの感染率の推移と、作物の生育パターン及び【P!-】吸収量の関連性を追った。両作物とも、施用【P!-】レベルにほゞ反比例して、VAミコリザの感染率は高低した。堆厩肥施用は、VAミコリザ感染率を低下させた。トウモロコシでは、生育初期から感染は成立し、登熟後期に低下した。コムギでは12月〜3月中旬には感染は全くみられず、4月に入って、地温上昇とともに感染率は急上昇し、登熟後期まで高レベルで推移した。両作物とも、茎葉部の【P!-】%とVAミコリザの感染%は、生育中期〜後期に、高い正相関を示したが、乾重とは負相関を示す場合が多かった。つまり本圃場条件下で生育する作物にとって、土着のVAミコリザ菌の感染は、「共生」というより、むしろ、作物の光合成産物である炭素化合物の一方的消耗を助長する「寄生」的関係と評価された。 3.滅菌土壌を用いたポットに、VAミコリザ感染の小量の土壌塊あるいは植物残根、またはVAミコリザ菌の胞子を接種して、ダイズ,ヒヨコマメを栽培すると、土壌中の有効態【P!-】レベルが一定の範囲内で、それらの作物の生育及び【P!-】吸収を顕著に促進した。また、【P!-】吸収や生育の促進が殆んどもたらされない程度の低感染率レベルであっても、VAミコリザ形成に伴って、これらマメ作物の生育後半における落葉が、著るしく抑制され、ホルモン生成促進の可能性が示唆された。
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