• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

タンパク質生合成のペプチド鎖伸長段階での制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 61470125
研究機関岩手大学

研究代表者

江尻 慎一郎  岩手大, 農学部, 助教授 (90005629)

キーワード伸長因子1 / EF-1 / リン酸化 / protein kinase / タンパク質生合成 / 翻訳制御
研究概要

コムギ胚芽のポリペプチド鎖伸長因子1は、αββ´γの4種類のサブユニットから構成され、αはアミノアシル-tRNAをリボソームに結合させる因子であり、βおよびβ´は、EF-1α・GDPからEF-1α・GTPを再生させる因子である。EF-1αββ´γは、[【^(32)P】]ATPと反応させるとβのみが特異的にリン酸化されβ活性が数倍上昇することが明らかとなったので今年度は、主として、リン酸化酵素の本体を追跡した。その結果、分子量40,000のKinase(EF-1β Kinase)を単一にまで精製することに成功した。このKinaseはリン酸供与体として、ATPおよびGTPを利用し、スレオニンをリン酸化した。この酵素は、カゼインおよびホスビチンをリン酸化し、ヒストンH2aのリン酸化は認められなかった。その他、この酵素は、ヘパリンにより阻害されることなどから、カゼインキナーゼ【II】に類似の性質を有する新しいKinaseと推定した。
EF-1β Kinaseは、粗酵素の段階では、CGMPおよびcAMPの影響が認められたが、精製酵素では、これらのヌクレオチドの影響は認められなかった。精製途上で、Kinaseの制御に関与する調節サブユニットが脱落した可能性があるので、次年度にこの推定を確める研究を行う。
現在、リン酸化によるβ活性上昇の機構を解析中であるが、βのリン酸化により、EF-1α・GDPのGDPと外部のGTPとの交換反応が数倍上昇することが明らかにされたので、次年度さらにその分子機構を明確する。
以上のように、EF-1βのリン酸化による活性制御機構の骨格を確立することができ、当初の目的を達することができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S,Ejiri et al.: Eur.J.Biochem.

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi