• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1986 年度 実績報告書

担子菌中の神経レセプターに対する活性物質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61470145
研究機関東北大学

研究代表者

野副 重男  東北大, 薬学部, 教授 (50013305)

研究分担者 草野 源次郎  東北大学, 薬学部, 助教授 (90004598)
伏谷 眞二  東北大学, 薬学部, 助手 (80108563)
キーワード担子菌 / 神経レセプター / 幻覚物質 / Psilocybin / baikiain / グルタミンシンテターゼ / 酵素阻害
研究概要

本研究は担子菌から神経レセプターに作用する化合物あるいは酵素阻害活性をもつ化合物を単離することを目的としており、本年度は幻覚性キノコを中心に成分研究を行い以下の様な結果を得た。1.ヒカゲシビレタケ(Psilocybeargentipes)による幻覚発現が、脳シナプスの主要な伝達物質で精神神経機能に重要な役割を果しているセロトニンと構造類似で、セロトニンレセプターに作用すると考えられているpsilocybin(【1!〜】)によるものであることを明らかにした。また高速液体クロマトグラフィーによるPsilocybinの定量法を確立し、本法を用いて他のPsilocybe属キノコについて調べた結果アイゾメシバフタケ(P.sub-caerulipes)、センボンサイギョウガサ(P.subbalteatus)等にもPsilocybinが含まれていることがわかった。 2.有毒キノコの一種であるニセクロハツ(RussulaSubnigricans Hongo)から、神経伝達物質としてのグルタミン酸のアンタゴニストとして知られているL-(-)-baikiainとともに新アミノ酸(2S,3R)-(-)-3-hydroxybaikiain(【2!〜】)を単離し構造決定した。本アミノ酸はその構造から考えてグルタミン酸レセプターに対する作用が期待できる。 3.担子菌類のアミノ酸画分について、神経伝達物質であるグルタミン酸の量を調節している酵素、グルタミンシンテターゼ(GS)に対する阻害活性を調べた。その結果ドクカラカサタケ(Lepiota neomastoidea Hongo)の強酸性アミノ酸画分とハラタケ(Agricus campestris Fr.)の酸性アミノ酸画分に阻害物質が含まれていることがわかった。 4.合成したグルタミン酸アナログのなかで4-N-hydroxy-L-2,4-diaminobutyric Acid(NH-DABA)(【3!〜】)に強力なGS阻害活性があることを明らかにした。NH-DABAの阻害活性はこれまで知られている最も強い阻害剤phosphinothricinに匹敵するものであった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Musha;A.Ishii;F.Tanaka;G.Kusano: Tohoku J.Exp.Med.148. 73-78 (1986)

  • [文献書誌] G.Kusano;Y.Koike;H.Inoue;S.Nozoe: Chem.Pharm.Bull.34. 3465-3470 (1986)

  • [文献書誌] G.Kusano;H.Ogawa;A.Takahashi;S.Nozoe: Chem.Pharm.Bull.

  • [文献書誌] S.Fushiya;M.Maeda;F.Funayama;S.Nozoe: J.Med.Chem.

URL: 

公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi