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1986 年度 実績報告書

植物培養細胞におけるアルカロイド分泌機構の解析と医薬生産への応用

研究課題

研究課題/領域番号 61470149
研究機関京都大学

研究代表者

田端 守  京大, 薬学部, 教授 (60025682)

キーワードアキカラマツ / カラマツソウ属 / キンポウゲ科 / ベルベリン / アルカロイド / 二次代謝産物 / 培養生産 / 植物培養細胞 / 分泌 / 医薬生産 / 細胞構造 / 二段培養 / 生産培地 / 増殖培地
研究概要

アキカラマツ(Thalictrum minus)の液内培養細胞は、生成したベルベリンの大半を培地へ分泌するが、この特異な細胞培養系を用いて以下の研究成果を得た。
1)ベルベリンの分泌促進条件:培地組成の検討により、二種類の植物ホルモンの組合せ(100μM NAと10μM BA)並びにリン酸量の制限がベルベリンの生産、分泌を促進することを見出した。2)培養株の育成:細胞選抜によりベルベリン高生産株(25-30mg/30ml)を得た。一方、野生の母植物17個体から個別に培養株を育成したところ、ベルベリン生成に関して培養株と親個体の間に相関関係はなかったが、培養株のベルベリン生成量と分泌量との間に有意な相関が認められた。しかし、上述の選抜株を凌駕する株は未だ得られていない。3)異種植物培養細胞の生合成能:アキカラマツ以外のThalietrum属17種由来の培養株のアルカロイド生成能を比較した結果、I.dipterocarpumとI・flavumの培養細胞がそれぞれ25mg,15mg/30mlのアルカロイドを生成した。しかし、アルカロイド分泌能は認められなかった。4)分泌機能と細胞構造との関連性:ベルベリン生成に伴う培養細胞の構造変化を電顕解析した結果、分泌活動期に特異な微小顆粒の形成を認めた。しかし、ベルベリン分泌機能のないオウレン培養細胞にも同様の顆粒が存在するので、本顆粒の役割の解明は今後の課題である。5)二段培養によるベルベリンの効率的生産方法の開発:100μM NAAと10μM BAを添加し、かつリン酸を制限したLS培地はベルベリン生産培地として好適であったが、細胞増殖には不適であるので、2、4-Dを含む培地を増殖培地とする二段培養法を採用した結果、安定した生産(約25mg/30ml)を確保できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Tabata et.al: Plant Cell Reports. 5. 69-71 (1986)

  • [文献書誌] M.Tabata et al: Plant Cell Reports. 5. 65-68 (1986)

  • [文献書誌] M.Tabata et al: Plant Cell Reports. (1987)

  • [文献書誌] M.Tabata et al: Plant Cell Reports. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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