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1986 年度 実績報告書

脂質平面二分子膜を使う薬物-受容体相互作用の分子レベルにおける物理化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61470153
研究機関東京大学

研究代表者

清水 博  東大, 薬学部, 教授 (30037577)

研究分担者 山口 陽子  東京大学, 薬学部, 助手 (00158122)
田仲 広明  東京大学, 薬学部, 助手 (90143502)
矢野 雅文  東京大学, 薬学部, 講師 (80119635)
キーワード脂質平面二分子膜 / 真性粘菌変形体 / 膜蛋白
研究概要

生きている細胞に膜ができる場合と同等な熱力学条件下で、自己修復能をもつ構造的に安定な脂質平面二分子膜をつくり、これに生体から単離精製した種々の膜蛋白を組み込み、生理活性を示すモデルを作製することが、本研究の目的である。
真性粘菌変形体は、巨大な単細胞生物であり、その細胞膜は、損傷に対し、きわめて容易にかつすみやかに再生することが知られている。この再生のメカニズムを明らかにすることは、本研究の目的である平面二分子膜をつくる上で、有用な知見をもたらすものと思われる。このため、本研究ではまず、真性粘菌変形体における膜再生時の、原形質表層部における微細なオルガネラの形態変化を、電子顕微鏡を用いて観察した。
実験は、化学固定法を用いたため、時間分解能がややおとることと、若干の固定時の形態変化を伴うという問題点はあるものの、次のような事実が明らかとなった。即ち、粘菌変形体の原形質中には、多数の液胞が存在しており、細胞膜にカフェインを与え、損傷を加えると、その箇所の液胞が表層部に集まってくる。そして、液胞どうしが隔合し、再び膜が形成されることが観察された。
この時、膜の形成にはカルシウムイオンが必須であることが分った。また原形質中には、膜形成に必要な脂質の供給源として、多数の液胞の存在が重要であることが分った。
現在はこれらの知見をもとに、真性粘菌変形体原形質の膜画分と、人工的な組成の溶液とを組み合わせて、平面膜を作るための人工原形質の組成を検討中である。また、膜の電気的特性を測定するため、膜電位記録装置、膜電流刺激装置及び膜電位固定装置を作成した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Sekiguchi;S.Kawahara;H.Shimizu: J.Biochem.

  • [文献書誌] T.Sekiguchi;H.Shimizu: J.Pharmacobio-Dyn.10,No.1. 55-62 (1987)

  • [文献書誌] H.Tanaka;H.Yoshimura;Y.Miyake;J.Imaizumi;K.Nagayama;H.Shimizu: Protoplasma.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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