研究概要 |
蛋白質のN末端からの配列決定法,エドマン分解法の主反応,coupling、cyclizationの反応の後の中間生成物ATZアミノ酸に一級アミンを反応する反応を解析し、その反応の速度と収率が一般に満足すべき結果を既に得ている。このアミンの選び方でN末端配列の分析を高感度にすることができる。私達は最初【I^(125)】ヒスタミンを使って高感度化に成功したが、この研究では三種の螢光色素アミン誘導体を使って、反応の容易さ、検出感度の測定をした。4-aminofluorescein,tetramethylrhodamine,aminopyrenの内4-aminofluoresceinが最も高感度で500nm,516nmにemissionとexcitationの波長をもつ。今年度購入した島津螢光光度計は、このようなスペクトル測定と共にHPLCに連結してフローモニターとして用いることができる。反応の解析にはATZ誘導体がUVの吸収をもち、螢光アミン及び生成物が螢光によって検出されることからHPLCにUV及び螢光モニターを共に連いで出発物質,及び生成物,更には派成する副反応物の解析を行った。次に20種のアミノ酸のaminofluoresceinATZ誘導体をHPLCで分画することを行った。このため20種のATZ誘導体をジペプチドから作り螢光アミンと反応させその誘導体を各々合成した。60mM酵酸-Na緩衝液(pH4.9)とメタノールの直線濃度変項、30°の溶出液系でカラムとしてはMicrosorbC-18(4.6×250mm)を用いている。この系によれば500fモルの各アミノ酸誘導体を検出することが十分できるという結果を得て、少く共従来のPTH法の感度を10-50倍あげることができた。この反応を従来の全自動気相シークエンサーに応用して、モデル蛋白質ミオグロビン50p-モル(従来法で最低量)の操作を実際に用い、この方法を生成するATZアミノ酸に反応させ500fモル前後、即ち従来法の50倍の感度で実験ができることを示した。カラムのミクロ化,螢光光度計の改良でこの感度を更に100倍上げることを試みる。
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