研究概要 |
蛋白質配列助序決定に用いられるエドマン分解法の主反応を保存し, 中間体ATZアミノ酸に強い螢光を持つアミノフロレセンを反応して, 従来の検出過度を約千倍に増加させる事を見出した. この反応を超微量fモルレベルの蛋白に応用するため, 既存のシーケンサのプログラムに改良を加え, 自動的に従行の蛋白質量5〜50pモルを500f〜2pモルまで高めることに成功した. この方法を用いて各1PモルのDNAー蛋白, 蛋白のみの2つの未知の構造決定を行う事が出来た. この蛋白はBセルの転写賦活因子で, その配列から複数ヶ以上ある事が判って来た. 又DNAと蛋白の複合体及びUV結合体にこの方法は螢光検出法であるために適用できる事も見出し, 予期しない優れた応用範囲が考えられる. DNAを附加する事により結合蛋白以外の一般の中酸性蛋白の一般抽出法として失いやすい超微量蛋白に適用される. 高感度検出が可能となった事により予期していた如く1Pモル以下の蛋白が現在のシーゲンサでは不可能である事が判り, それに代る球型シーケンサの基礎実験を行った. 現在限られたステップ数ではあるが100fモルの蛋白の配列決定に成功した. 一方感度を更に上げる為レーザ螢光光度計と特殊光路をもつセルを試作した. 又超微量の蛋白の配列決定のための精製法として, SDSゲル電気泳動法について研究を行い, 揮揆性緩衝液系を確立して実用に供した. 又従来の一枚のゲルでなく2枚以上のゲルを重ねて泳動する方法を新たに作り, その一方を検出用に他の一方は抽出用に使う方法を確立した. 更のゲル上のバンドを抽出せず, ブリムシアン分解, 酵素分解等を行う方法を案出した. C末端からの配列決定法に酵素法を用いる事を超微量で行う方法を検討し, 先ず表面治性剤中での反応, 生成アミノ酸の超微量検出法を開発しつつある. ダブシル法をとりあげ100fの感度をもつ方法を取り入れた. 加方分解の新しい蒸気法も確立した.
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