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1986 年度 実績報告書

免疫学的認識の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 61470164
研究機関東京大学

研究代表者

荒田 洋治  東大, 理学部, 助教授 (40011499)

研究分担者 黒沢 良和  藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (10109259)
キーワードモノクローナル抗体 / 重水素ラベル / 核磁気共鳴 / エピトープ / タンパク質の高次構造 / プロテインA
研究概要

免疫における認識の基本原理をタンパク質の高次構造の視点から解明することを目的として研究を行いつつあるが、昭和61年度の研究実績の概要はつぎのとおりである。1)選択的に重水素化したモノクローナル抗体の調製:抗ダンシルマウスモノクローナル抗体(Ig【G_1】、Ig【G_(2a)】、Ig【G_(2b)】、IgG)を産生するスイッチバリアント・ハイブリドーマを用いて、無血清化、重水素ラベルを行った。ハイブリドーマを無血清培地(日水製薬、NYSF-404)を順応させたあと、チロシン-2【d_(3,5)】を添加した培地を用いて重水素化ラベルモノクローナル抗体を調製した。【^1H】NMRの測定により、チロシンが選択的にラベルされていることを確認した。分子量16万の巨大タンパク質であるにもかかわらず、スピンエコー法、スピン拡散法などの貢法を組み合せることにより、予想をはるかに上まわる分解能の向上が達成された。2)タンパク質抗原上のエピトープの構造とモノクローナル抗体による認識:リゾチーム分子上のエピトープに対応するペプチドの単離、精製を行い、高次構造を保持するタンパク質から分離されたペプチドがどのように相互作用するか、intactなリゾチーム分子の場合と比較した。ペプチドと抗体の相互作用を解析する手段として、スピン拡散と分子間核オーバーハウザー効果を組み合せた一般的な方法を開発した。この結果、ペプチドが従来考えられていたよりもはるかに広い範囲にわたって、抗体によって認識されていることが明らかになった。3)プロテインA遺伝子のクローニングと改変:staph.aureusよりプロテインA遺伝子をクローニングし、さらに異なる数のドメインをもつ遺伝子断片を得た。次年度はこれらに対応するタンパク質の発現、さらに重水素ラベルした抗体との組合せによるタンパク質・タンパク質相互作用の高次構造解析へと進む予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] S.Nishihara: Molecular Immunology. 23. 285-290 (1986)

  • [文献書誌] N.Takahashi: Biochemistry. 25. 388-395 (1986)

  • [文献書誌] H.Nomoto: Eur.J.Biochem.157. 233-242 (1986)

  • [文献書誌] H.Arakawa: Biochemistry. 25. 6785-6789 (1986)

  • [文献書誌] Y.Muto: Analytical Biochemistry. 159. 206-209 (1986)

  • [文献書誌] H.Kitagaki-Ogawa: Eur.J.Biochem.161. 779-785 (1986)

  • [文献書誌] 荒田洋治 編: "免疫の分子論的基礎" 共立出版, 176 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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