研究概要 |
1.ホフマンージメチルアミン型ホストにおけるオルト, メタ, パラキシレンならびにベンゼンの2ー4元混合系に対するゲスト選択性を総括し, ホスト錯体の2次元構造と選択性との関連から, キシレン2元系及び3元系でのオルト異性体への選択性を速度論的効果で説明した. またキシレン異性体とベンゼンとの4元系では, 理由は明確ではないが, 極めて低濃度のベンゼンが選択包接され, キシレンではパラ異性体が選択包接される事実を見出し, それらを論文として発表した. 2.新多次元ホストとして, シアン化カドミウムを主要骨格成分とし, アミノアルキルーNー置換アンモニウムが単座橋配位子となる(1)表面修飾粘土鉱物型, あるいはゲストのように包接空間に収納される(2)ゼオライト型構造を開発し, その多様な包接選択性を示唆する結果を得, 速報として発表した. また, シアン化カドミウムそのものだけで3次元ホスト構造をつくる(3)包接水和物型構造をとる全く新しい錯体ホスト包接体を得た. 3.ホフマンージメチルアミン型ホストでのアルキルベンゼン誘導体における置換基の転位・脱離反応については多くのデータが集積されたが, 約5℃の低温でこのような反応が進行する例は極めて希であるため, 最終的な報文の作成には慎重な対処が必要である. 4.2年間にわたる研究成果を総合したB5版約80ページの研究成果報告書として印刷作成し, 所定機関に提出すると共に, 錯体化学研究会(会員約400名)の組織を通じて関連研究者に配布する.
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