• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

鼓藻類の種分化における染色体構成の変動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61480013
研究機関東京大学

研究代表者

市村 輝宜  東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (00090481)

研究分担者 笠井 文絵  国立公害研究所, 技術部, 専門官
キーワード鼓藻類 / 種分化 / 高次倍数体 / 生態的場 / ミカヅキモ / オニノカナボウ / コウガイチリモ / 地理的分布
研究概要

1.巨大細胞を持つ高次倍数体のミカヅキモClosterium ehrenbergiiの交配群Pは世界中の冷涼水域に広く分布する。(1)本年度に英国の4ヶ所とフランス北部の4ヶ所より分離された合計32のクローン培養株を、オランダのPeter Coesel博士より入手した。(2)これら北西ヨーロッパ産の32株の栄養細胞の形状及び大きさは交配群Pの変異範囲であった。(3)交配群Pの代表プラス株(0-4-9)及びマイナス株(D-4-4)と、新たに入手した32株を交配した結果、正常な接合胞子形成がみられたのでこれらの株はすべてP群に属することが確認され、P群は日本、北アメリカ、北部及び西部ヨーロッパに広く分布することが確認された。
2.日本に分布する近縁交配群A、B、P群の代表株を用いた増殖実験の結果から、P群は10〜15°Cの水温を好み、AとB群は20〜25°Cの水温を好むこと、及びAとB群はPH7.5付近を境としてAはより酸性水系を、Bはよりアルカリ性水系を好むこと等、3群の生態的場に分化が認められた。
3.ミカヅキモ以外の鼓藻類オニノカナボウTriploceras g racile及びコウガイチリモPleurotanium ehrenbergn及びP.nodosumの各形態種内にも、細胞の大きさが非常に異なる固体群が認められ、交配実験の結果からこれらは生物学的に異なる種であることが確認された。
4.ミカグキモで得られた知見から考察すると、上記3種の形態種の起源は、進化的に非常に古く、内部に複数の交配群(生物学的種)を分化させ、倍数体複合群を形成しているものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Fumie,KASAI Terunobu,ICHMURA: Journal of Phycology. 23. 344-351 (1987)

  • [文献書誌] Terunobu,ICHMURA;Fumie,KASAI: Journal of Phycology. 23. 523-534 (1987)

  • [文献書誌] Terunobu,ICHMURA;Fumie,KASAI: Third International Congress,Melborune,Australia ABSTRACTS. 19 (1988)

  • [文献書誌] Fumie,KASAI;Terunobu,ICHMURA: Third International Congress,Melbourne,Anstralia ABSTRACTS. 21 (1988)

  • [文献書誌] Terunobu,ICHIMURA;Fumie,KASAI: Phycologia in press. 28. (1989)

  • [文献書誌] Fumie,KASAI;Terunobu,ICHIMURA: Ebolution.

URL: 

公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi