研究概要 |
1.花芽の分化, 発育 主茎では, 花芽分化開始期は2月上旬, 総苞分化期は2下旬, 苞分化期は3月中旬, 苞伸長期は4月中旬, 苞湾曲期は5月上旬にそれぞれ開始し, 5月中旬にはチーゼル頭は形態的に完成し, 6月上旬に開花した. これら分化, 発育の諸過程は, チーゼル頭内では何れも頭の基部から先端へと進行した. 個体内では, 主茎先端の頭が最も早く分化,発育を開始し, 第1次分枝先端の頭は主茎よりも遅れた. 第1次分枝では最上位分枝が主茎よりも約40日遅れて分化, 発育を開始し, 下位分枝になるに從ってさらに遅れた. 収穫時における頭の大さは, 分化, 発育が遅れたもの程, 頭長, 頭径ともに小さかった. 上位の第1〜第4の第1次分枝先端に着生する頭を残して, 他の頭および分枝をすべて摘除すると, 残された頭の大さは無摘除の場合よりも大きくなった. 2.窒素およびカリ追肥の影響 窒素とカリの追肥量について, それぞれ無追肥, 標準追肥, 倍量追肥の3水準を設け, 追肥時期を3月18日と4月13日の2回に分けて, 生育の差異を調査した. 葉, 茎, 頭の生体重は, 窒素無追肥区が最も小さく, N,Kともに標準追肥区および倍量追肥区が最も大きかった. 頭の乾物重についても同様の傾向であった. 窒素含有率は, 葉,頭,苞ともにN追肥量が多いほど高くなった. カリ含有率は, 葉,頭,苞ともにNおよびKの標準追肥区と倍量追肥区が最も高かった. 頭の品質に関連する苞鉤の数および密度については, 無追肥の場合を除いて, N,Kの追肥量による有意差が認められなかった.
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