昭和61、62年度の結果をふまえて、本年度は新たに次の実験を行なって、それぞれ知見を得た。 1.遮光処理の影響 3月下旬から7月上旬までの間に25日間隔で遮光処理を行なった。頭花の発育に及ぼす遮光処理の影響は、処理の時期および程度によって異なった。すなわち、軽度の遮光を頭花発育の初期により行なうと、頭花は長さはやや長く、直径はやや短くなって細長くなり、苞鉤数も多くなった。しかし、処理時期が遅れると、頭花は小さくなったが、苞鉤数は多くなった。 2.降雨処理の影響 降雨処理を6月中に10日間づつ行なった結果、処理によって頭花は小さくなり、苞鉤数も少なくなった。その程度は処理時期が早いほど著しかった。 3.地下水位の影響 5月中旬から開花期まで、地下水位を変えて影響を検討した。その結果、地下水位が異なっても、生育ならびに頭花に差異はは認められなかった。 4.純系分離 主茎の上位第1節の高さが高い個体は低い個体に比べて第一次分枝数が多い。そこで、日本系統について、上位第1節が高い個体と低い個体について、袋掛けによって自花授粉を行なわせた結果、発芽力のある種子が若干得られた。さらに、中国系統およびスペイン系統についても同様な種子が得られた。これらの系統における自花授粉による稔実率は系統によって多少は異なったが、ほぼ1〜2%であった。 5.3年間の成果の取纏めを行なった。
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