研究概要 |
初年度に行った日射量に応じたかん液方法によるメロンの栽培試験は, 秋作のデータであり, 環境条件の異なる春作とは結果が異なると思われる. そこで, 初年度の結果を基に, 実験1では常に1定量を施用した場合と比較し, 実験2では午前中のみかん液をす場合と終日かん液する場合を比較して, コンピューター制御によりかん液を行って栽培試験をした. また, 併せて「水切り処理」の効果についても検討を行った. [実験1] 1987年4月20日に本葉3枚の苗(アールスフェボリット)をRW栽培ベッドに定植した. 処理は, 日射量にじてかん液する場合及びタイマーにより一定量施用する場合と「水切り処理」(水切り区, 水切り時培養液2単位区)」の有無の組み合せによる6区(8反復)を設けた. なお, かん液は全て午後1時にて終了するように設定した. その結果, 実験1では日射量区より一定量区で, 水切り区より対照区で生育, 特に果実肥大が優ったが, これは, 日照量区では前日が晴天の場合, 翌朝のRW内水分が不足したり, 場合によってはかん液量を越える蒸発散量があったこと, また水切り区では, 過度の水切りにより根を傷めたためと考えられる. [実験2] 1987年9月29日に本葉2ー25枚の苗をRW栽培ベッドに定植した. 処理は, 植物体が必要とする水分を午前中のみ与える区(午前かん液区)及び全日にわたってかん液する区(終日かん液区)と「水切り処理)水切り区, 水切り時培養液4単位区)」の有無の組み合せにより6区(8反復)け設けた. その結果, 各処理区において裂果が多発したため, 午前かん液と終日かん液が果実品質に及ぼす影響は明らかにできなかったが, 裂果が対照区より水切り区及び4単位区で, 比較的早くから発生したことから, RW栽培においては受粉直後の果実肥大期に, 果皮の軟化を促す養水分管法が重要であることが示唆された.
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