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1986 年度 実績報告書

絹織物用原糸・織物の防しわ性向上による新素材開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480051
研究機関東京農工大学

研究代表者

北村 愛夫  農工大, 工学部, 教授 (20015001)

研究分担者 柴本 秋男  東京農工大学, 工学部, 助手 (20092489)
キーワード防しわ性 / 樹脂加工 / キュアリング温度
研究概要

絹の新規用途拡大のため絹素材のもつ防しわ性に乏しい点を改善し優れた防しわ性を附与することは極めて重要である。特にわが邦の気象環境条件を考慮し高湿度雰囲気下での防しわ性を向上させることは極めて重要な課題である。本研究はこのような観点から尿素系樹脂のうちDMEUおよびDMDHEUを供試し、熱処理工程における熱処理温度および張力変化が防しわ性にどの様に影響するか、特に高湿度における防しわ性について樹脂の絹繊維内部における在り方に関係する1架橋結合間の平均のアミノ酸残基数などとの関連から追求した。その結果熱処理温度は両樹脂共に樹脂濃度5%,10%の場合いずれも熱処理温度の上昇に伴って防しわ向上度(ΔS)は高くなる。これは熱処理温度の上昇に伴い繊維内の樹脂の硬化がより完全になるためと考えられる。さらにΔSと熱処理の関係ではDMEUは直線関係が見られるが、DMDHEUでは変曲点がありある温度で急激に樹脂の硬化が進むことが考えられ樹脂含浸濾紙のねじり剛性率の温度依存性からも確かめられた。またDMDHEUの方が防しわ性が高く、130〜150℃が最適熱処理温度であることがわかった。ついで各湿度雰囲気(低,中,高)下での樹脂処理液濃度ならびに付加張力と防しわ性との関係について追求し、DMEUは高湿度雰囲気での防しわ性が大きく樹脂処理液濃度10%のとき最も防しわ牲が大きいことがわかった。DMDHEUでは低湿度雰囲気下では低濃度の方が防しわ性が高く、高濃度になるほど防しわ性は低下することがわかった。この挙動は中湿度雰囲気下でも同様であった。高湿度雰囲気下では樹脂処理濃度が高く付加張力が増大するほど防しわ度が大きくなり、特に25%樹脂液処理が高い防しわ性を示した。また架橋度は張力が大きいほど増加することがわかった。また防しわ向上度(ΔS)と架橋度の関係からΔSの大きいものは概して架橋度が高くなることもわかった。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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