研究課題/領域番号 |
61480054
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
尾形 昭逸 広島大学, 生物生産学部, 教授 (70034436)
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研究分担者 |
実岡 寛文 広島大学, 生物生産学部, 助手 (70162518)
河野 憲治 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (50034476)
藤田 耕之輔 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90002170)
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キーワード | 葉水分ポテンシャル / 気孔抵抗 / 総根長 / 總葉面積比 / 純同化率 / 作物生長速度 / 夏枯れ耐性 / 養分吸収能 |
研究概要 |
前年度までの圃場および土耕ポット実験によって夏枯れ耐性の強弱はイネ科寒地型草種でトールフェスキュ>オーチヤドグラス>ペレニアルライグラス>レッドトップ>チモシ、そしてコメ科草種では、アルファルファ>白クローバー≧赤クローバの頃であった。本年度はこれら草種より、トールフェスキュトオーチャドグラスをイネ科草類から、そしてアルファルファと赤クロバーをマメ科草類から選択・圃場および土耕ポット試験を実施した。 測定項目は純同化率、作物生長速度、単位栽培面積当り総根長、總葉積、ならびに葉水分ポテンシャル、滲透田、膨圧、気孔及びクテクラ抵抗の水分代謝に関する諸パラメーター、さらに葉組織の細胞膜安定性に関するものであり、これらの観察項目が、夏期高温寡両期での灌水(土壌PP1.8以下)と無灌水(Pに2.8程度)の区でどのように変動するかを観察した。その結果つぎの結論を得た。 (1)総梧長/総葉面比率をより高く維持しうる草種がより夏枯れ耐性が強い。すなわちトールフェスキュ>オーチャドグラスそして<アルファルファ>赤クロバーであった。(2)葉水分ポテンシャルと気孔抵抗の回帰曲線はオーチャドグラスでY=0.01X^2-1.09X-8.54(π=0.628)、トールフエスキスでY=0.05X^2-2.11X-0.56(π=0.645)赤クロバーでは0.08X^2-2.19X-6.71(π=0.403)およびアルファルファでY=0.09X^2-2.41X-4.86(π=0.403)が得られ寒地型草類は暖地型草類とは異り、夏枯れ耐性の強い草種ほど低葉水分ポンシャルで気孔抵抗が大きくなる。すなわち、寒地型草類は光合成能を低下させても蒸散により葉組織からの水分逸出を抑制する能力の高い草種が耐夏枯れ性が多いと結論された。(3)細胞膜安定性をPEG法による。草種間差異があるとともに、品種間差異もあり、耐夏枯れ性と関連することが推定されたが、細胞膜安定性の要因については十分な結論が得られなかった。(4)養分吸収能と夏枯れ耐性の関係も解析し、前年度迄の結論を支持し得た。
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