研究課題/領域番号 |
61480069
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
藤野 和男 北里大, 水産学部, 教授 (40050314)
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研究分担者 |
奥村 誠一 ニケチン(株), 研究室, 研究員 (60224169)
荒井 克俊 北里大学, 水産学部, 講師 (00137902)
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キーワード | エゾアワビ / 染色体セット操作 / 3倍体 / 遺伝子 / 動原体組換え / 熱安定性変異 / フオスフオグルコネート脱水素酵素 / 異型(同型)接合度 / 半閉鎖式循環水槽 |
研究概要 |
エゾアワビの生殖細胞の第【I】及び第【II】減数分裂過程を経由する祖先型ゲノムの伝達機序並びに染色体セット操作に伴うゲノムの異型・同型接合度の変化を解析し、その手法を当初計画の実施面で活用し、下記の結果を得た。 1)第1または第2極体放出阻止によって作出された3倍体(それぞれ3n1pbおよび3n2pb)と正常2倍体(2n)兄弟群の高水温(30℃)耐性(生存度)は3n1pb>2n>3n2pbの順で、異型接合度の高さの順位と一致し、両要素間の相関が具体的に示された。また、上記中3n1pb群で、フオスフオグルコムターゼ酵素の熱安定性遺伝子同型接合(RRR)型は最高の生存度を示し、ゲノム倍数化と特定遺伝子型の相乗効果が認められた。上記の異型・同型接合度解析手法を応用して、アイソザイム遺伝子座と動原体間(G-C)組換え率推定が可能となり、フオスフオグルコネート脱水素酵素遺伝子座の場合、その値はx=0.29(0.5≧x≧0)と推定された。また、2nおよび3n集団の単一遺伝子座における異型接合超優性がみられた。 2)16月令までの殻長・体重の成長度では、2nと3n兄弟群間で有意差は見られなかったが、2n集団内で、複数のアイソザイム全遺伝子座の異型・同型接合性と成長度(殻長)との間に相関がみられた。 3)半閉鎖式循環水槽の水質等諸要素とバイオマス(エゾアワビ)の経時的観察結果に基いて解析を行い、その主要要素定常化の為の運転條件をほゞ把握することが出来た。 4)カワマスにおける雌性発生および倍数体の誘導條件を檢討し、予め40erg/【mm^2】/secで60秒間紫外線照射を施した精子で正常卵を媒精後、700kg/【cm^2】×6分間圧力処理を施し、第2極体放出阻止又は第1卵割抑制による2種類の雌性発生2倍体を作出することが出来た。また、正常精子で媒精した卵子を同様に処理してい3倍体及び4倍体を作出することが出来た。
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