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1986 年度 実績報告書

ヒオウギの麻ひ性貝毒に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61480070
研究機関東京大学

研究代表者

橋本 周久  東大, 農学部, 教授 (30011828)

研究分担者 野口 玉雄  東京大学, 農学部, 助手 (40011910)
キーワードヒオウギ / 麻ひ性具毒 / protogonyautoxin / gonyautoxin / saxitoxin / decarbamoylneosaxitoxin
研究概要

西日本における麻ひ性貝毒(PSP)研究の資とするため、最近養殖対象としてクローズアップされている二枚貝とヒオウギChlamys nobilisのPSPの成分組成等に検討を加えた。
すなわち、毒化したヒオウギ(大分県産)の中腸腺を3倍量の80%エタノール(pH2)で抽出後、ジクロルメタンで脱脂した。このものをDiaflo YM-2membrane(Amicon)により限外濾過し、次いでBio-Gel P-2(Bio-Rad Labs)およびBio-Rex70(【H^+】型:Bio-Rad Labs)を用いる各カラムクロマトグラフィーに順次付して毒を精製し、protogonyautoxin(PX),gonyautoxin(GTX)およびsaxitoxin(STX)の3画分を得た。
各画分について、PSP分析常用されている方法(電気泳動,TLC等)、ならびに新たに開発した高速液体クロマトグラフィー(HPLC法)によりその成分組成を調べた。このHPLC法においては充填剤に逆相シリカ系ODSS-5を、イオンペア剤にheptanesulfonic acidをを用いた。また、移動相には1%または20%メタノール-0.05Mリン酸塩緩衝液(pH7.0)を、蛍光発色剤には過ヨード酸塩を用い、励起波長は344nmとし、388nmにおいて測定した。
電気泳動ならびにHPLC分析の結果は、前記のPX画分が【GTX_8】および同エピマーから成ること、GTX画分が【GTX_5】,【GTX_6】の既知両成分のほか未知の2成分(A,B成分と仮称)から成ること、またSTX画分が未知の2成分(C,D成分と仮称)から成ることを示した。TLC分析の結果や、塩酸水解物の諸分析結果も上記の結果を支持するものであった。
未知4成分のうちCについては、種々検討の結果、ウモレオウギガニ等PSP毒化ガニによくみられるneoSTXのdecarbamoyl体と推定された。残余の3成分についても類似化合物の可能性が孝えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 野口玉雄,荒川修,醍醐絹江,橋本周久: Toxicon. 24. 705-711 (1986)

  • [文献書誌] 長島裕二,丸山純一,野口玉雄,橋本周久: 日本水産学会誌.

  • [文献書誌] 長島裕二,佐藤之紀,野口玉雄,橋本周久: 日本水産学会誌.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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