研究概要 |
1.排泄腔旁脈管体(VB)と排泄腔尿洞壁毛細血管網のシナプス小胞の微細形態学的特性 VBならびに精管乳頭部,射精窩およびサンパヒダ(ホロホロチョウ)の粘膜に分布する神経終末を、連続切片の透過型電顕法によって観察したところ、シナプス小胞には小型無芯,小型有芯,大型有芯および扁平小型無芯の4型があり、それの分布と小胞構成はシナプスの位置と関係がないこと、出現頻度は小型無芯,大型有芯,小型有芯,扁平小型の順で、小型無芯小胞が優勢であることが明らかにされた。またレセルピンの投与によって、有芯小胞の明らかな放出が認められ、小型無芯小胞の高頻度出現にみられるように、これらの組織器官の自律神経支配については、コリン作働性神経支配が優勢であると推定される。 2.VBを含む全交尾器官におけるポリペプチド含有細胞、神経終末および神経線維の免疫組織化学的同定。 Nerve fiber protein(NFP),Substance P(SP),Vasoactive intestinal polypeptide(VIP).Leucine-enkephalin,methionin-enkephalin 8,gastrin releasing polypeptide(GRP),somatostatin,neuropeptide Y(NPY),5-hydroxytriptamine(5-HT),glucagon neuron specific enolase(NSE)およびCalcitonin gene-related peptide(CGRP)の免疫組織化学的同定をニワトリ,アヒル,ホロホロチョウ,ウズラおよびハトについて行った。NFPは全例陽性で、VBを含む全交尾器官における神経節,神経終末,神経線維の位置と分布が明らかにされた。またこれらのペプチドのうち、SPとCGRPが陽性であった。これらの結果は、鳥類の交尾器官については、上記実験1のようにコリン作働性神経支配が優勢と考えられるが、ペプチド作働性神経支配の存在も無視できないことを示すものである。
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