研究課題/領域番号 |
61480076
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横山 昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023388)
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研究分担者 |
友金 弘 名古屋大学, 農学部, 助手 (30023493)
太田 克明 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00023424)
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キーワード | 視床下部 / LH / 拍動的分泌 / サージ的分泌 / 吸乳刺激 / 生殖制御 / ラット / オキシトシン |
研究概要 |
生殖腺を統御する繁殖機能系と、栄養素ならびにエネルギー動員を規制する栄養制御系とが視床下部において統合されていること、この統合に吸乳刺激が関与していることに注目し、両系の相互関係及び、それに対する吸乳刺激の修飾について神経内分泌学的立場より明らかにすることを目的とする。 1.昨年度にひき続き乳腺神経の電気的刺激を吸乳刺激に替わる刺激として用い得るか否かを、刺激に対応するオキシトシン(OT)分泌を指標にして検討した。乳腺神経線維の電気刺激により血漿OT濃度は上昇した。しかし、伏在神経や正中神経の刺激によってもOT放出が見られた。それ故、乳腺神経刺激はOT放出に関し特異的なものとは云えない。クロールプロマジン(CPZ)投与は、ストレッサー暴露時に見られるOT放出を抑制する。CPZ投与は吸乳刺激によるOT放出や、乳腺神経、正中神経線維の刺激に対するOT放出を抑制しなかった。従って、神経線維の電気刺激は特異性が少なく、吸乳刺激の代替として使える可能性は低い。 2.卵巣除去泌乳ラットにおいて、乳子を母親より離すと、吸乳刺激による黄体形成ホルモン(LH)の拍動型分泌が12〜18時間後に出現する。LHの血漿中平均濃度、拍動頻度と振幅のいずれも離乳後の時間に比例して増加した。発情周期を反覆している正常動物では、卵巣除去後LHの血漿中平均値と拍動の振幅は増加するが、頻度には変化が見られなかった。この結果は、吸乳刺激と卵巣由来ステロイドとの間で拍動型LH分泌抑制機序に差異のあることを示す。卵巣除去ラットにエストラジオールを投与すると、LHのサージ状分泌が出現した。これらの結果は、吸乳刺激は拍動的LH分泌機序を抑制するが、サージ的分泌機序には影響を与えないことを示す。
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