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1986 年度 実績報告書

病原性細菌線毛の認識する宿主細胞膜糖鎖の化学構造

研究課題

研究課題/領域番号 61480081
研究機関北海道大学

研究代表者

内貴 正治  北海道大学, 獣医学部, 助教授 (10020752)

研究分担者 梁川 良  北海道大学, 獣医学部, 教授 (30001514)
キーワード病原性大腸菌 / 線毛抗原 / 牛下痢症 / コリネバクテリューム / 牛腎孟腎炎 / 単クローン抗体 / 糖脂質 / ガングリオシド
研究概要

1.牛の下痢症由来大腸菌
牛下痢症よりもっとも高頻度に分離される大腸菌としてK99,31A,Yの各線毛抗原を有する3種の菌株を使用し、線毛の認識するレセプター物質を解析した。31AとY線毛を有する大腸菌は牛の赤血球を凝集し、この赤血球凝集反応は0.5Mマンノースを添加しても阻止されず(マンノース耐性)、赤血球をパパイン処理しても低下しなかったので糖脂質性レセプターが考えられた。そこで多量の牛赤血球より糖脂質を精製し、存在する主要な糖脂質の化学構を以下の如く同定した。
(中性糖脂質)(1)Glcβ1-1Cer (2)Galβ1-4Glcβ1-1Cer (3)Galα1-4Galβ1-4Glcβ1-1Cer (4)Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4Glcβ1-1Cer (5)Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4Glcβ1-1Cer (6)Galα1-3(Galβ1-4GlcNAc)`2β1-3Galβ1-4Glcβ1-1Cer
(ガングリオシド) (7)NeuGcα2-3Galβ1-1Cer (8)NeuGcα2-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4Glcβ1-1Cer (9)NeuGcα2-3【(Galβ1-4GlcNAc)_2】β1-3Galβ1-4Glcβ1-1Cer
以上の中で31AあるいはY線毛大腸菌と反応する糖脂質は見付らなかった。一方K99線毛抗原を有する大腸菌は馬および牛赤血球をマンノース耐性に凝集し、(7)のNeuGcα2-3Galβ1-4Glcβ1-1Cerでのみ阻止された。現在K99を有する多くの株についても同じか否か検討中である。
2.牛腎孟腎炎由来コリネバクテリウム
C.renaleとC.pilosumについて線毛に特異的に反応する単クローン抗体の作製に成功した。各々の抗体の中で菌体と牛外陰部上皮との接着を阻止するものを撰び、その抗体の反応する線毛タンパク質を解析している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 折野宏一: 脂質生化学研究. 28. 157-160 (1986)

  • [文献書誌] Orino,K.: Jpn.J.Vet.Res.34. 153 (1986)

  • [文献書誌] Kudo,Y.: Veterinary Microbiology. 13. 75-85 (1987)

  • [文献書誌] Ochanda,J.: J.Biochem.100. 27-33 (1986)

  • [文献書誌] Nishimori,K.: Infect.Immun.(1987)

  • [文献書誌] Ono,E.: J.Gen.Microb.(1987)

  • [文献書誌] 内貴正治: "細胞工学:糖脂質の細胞工学的応用" 秀潤社, 664-669 (1986)

  • [文献書誌] Yanagawa,R.: "Causative agents of bovine pyelonephritis:Corynebacterium renale,C.pilosum and C.cystitidis in Progress in Veterinary Microbiology and Immunology" S.Kargar,Basel, 158-174 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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